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10/10 ソロモンの指輪/マリポーサの花

2008年10月11日
もしもサンバ きっとルンバ

2008年10月10日『ソロモンの指輪/マリポーサの花』@東京宝塚劇場

作・演出・出演者→こちら


これから先どんな作品に出会えるかわからないけど、
この二本立ては、私のヅカファン人生の中でも、
上位に入り続ける二本になると思うんだ。

好き。
もう、すっごい好き


ではでは・・・
まずはショーの感想から。

ムラで4回見たけど、
こんなにもすんなりこの世界が入ってくることはなかった。
新鮮に感じたけど、深くも感じた。
あの檻の開く音大きくなったかな?席のせいかな。

観れるのが嬉しいからってのも、多分にあるんだけど、
終始、鳥肌立っちゃって。
で、海来て、泣いちゃって。
もうテンションがそもそも高いから、涙腺が弱い弱い。

荻田浩一が雪組に、宝塚に残してくれた、宝物みたいなショーだ、これ。

指輪の記憶を辿るショー。

たいして場面数もないから、場面ごとに書くとすると、
第1場は、そーだなぁ、ここは、物語の始まり。
人物紹介のような。
始めってのは、たいていそんなもんだ。

孤独感漂わせた、指輪の精(ガスパール)水夏希。
全ての美の象徴のような存在ミストレス、白羽ゆり。などなど。
そこを全て包括するように、指輪を売り歩く行商人がいて、
その指輪に難癖つける、鑑定士がいる。

1つの指輪と限定するより、
この世に存在する(または存在した)全ての指輪の記憶、想い。
そんな風に捉えられた。
だけど、その中で一番魔力?が強いのがソロモンの指輪(にわちゃん所持)だった。
だから、ソロモンの指輪が中心になるけれど、
でもイメージとして盛り込まれているのは、きっとソロモンの指輪だけではない。

カーテン前を指輪を持ってクルクルしてる、
詩人、占い師、学者、商人、王侯貴族、鉱夫・・・
この辺は、指輪や、指輪には欠かせない、宝石。を連想させる。
これがさっき言った、全ての指輪の記憶、想い、だ。

ひろみの青年と、ラギのルンペンは、その指輪の世界に入り込んでしまう存在で、
なんだか半端なく迷っている様子なので、
この二人はセットで、観客に一番近い存在かも。
一緒になって迷っちゃった、ガイド。

第1場で、指輪の物語だ。ってことを説明したから、
次の第2場で、それがどんなものなのか、グッと強く訴えかける。
これはもう、曲とか、ダンスとか、そういうところから感じ取ればいい。
観た数は少ないけれど、私も感じてきた、荻田浩一の世界だ。
破滅的な美。絶対ではない愛。
恐れ、不安、嘆き、怒り・・・でもその反対側にある儚い輝き。

第3場。
ジャングル。
ソロモンの指輪をはめると、あらゆる動植物の声も聞き分けられた。
という言い伝えから、色んな動物が出てきそうな、ジャングルへ。
ここは、混沌としてる。妖しい。
ちょっと第二場から色を変えた、荒々しさのある、獣の世界。
ショーとしても見た目、楽しい。曲も最高。

そこから第4場。
キタ、海。
海にたたずむ女(天勢いずる)と、シンクロして踊ることができるのは、
キムの指輪の精(メルキオール)だけ。

ミズ・ユミコ・キム、指輪の精は3人で一つ。

キムは青年時。ユミコが壮年。ミズが晩年。
これは、東方の三博士から。

若かった指輪の精と心通じていた女。
それから別れがくる。その時がユミコ。
もう一緒には踊れない。
指輪も海に投げ捨てた。
あんなに綺麗だった指輪は、もうガラス玉ほどの価値もない。

そこから、錆とかそんな歌詞を経て、茶色スーツの水夏希登場。
一度女と目が合いかけるけれど、女はもう自分のことを見てくれない。
変わってしまったから。
でも変わることを止めることもできないから。
いづるんとすれ違った瞬間の水夏希。たまらなく良かった。
孤独。

海に捨てられた指輪は、波に洗われ、更に深く海へ。

ここの水しぇんのソロダンスが、抜群に格好良い。
身体のバランスの良さに惚れ惚れする。
ミズはダンス巧者って言われてるけれど、
きりやんや、園加の上手さとは全く種類が違うんだと思う。
計算され、洗練された見せ方と、バランスの良さ。
身体そのもののバランスもだし、踊りのバランスも。
ミズのダンスの魅力ってこういうところにあると、私は思ってる。

第5場。
西風。
海から考えて、過去と捉えることもできるし、未来と捉えることもできる。
どっちでもないのかもしれない。現在進行形の旅っていうか。
海は波があるから動きがあったけれど、今度は、静の世界。
荒涼とした大地に、埋められた指輪。寂しさ。歌うハマコ。
大地にはただ風が吹き、その風に上辺の砂や土が流されるだけ。
その大地に咲く、白い花。
また大地を清めるような、白い風。
指輪の周りには、指輪の行く末を見つめる天使二人。
風が指輪を見つけ出したのか、また指輪の記憶が動き出す。

第6場。
時間も30分だし、ここらでそろそろまとめに入る。
今までが指輪の暗い部分の記憶や想いだとすると、
6場の祝祭は、その全くの逆。
希望や、幸福を感じさせる場面。
華やいだ記憶も確かに指輪の中に宿っている。
とにかく金と白。キラキラ。コーラスも入って、華やか。
そんな中、一人、血に染められたような真っ白に真っ赤な衣装に身を包むミズ。
終わりが近い。

第7場。
祝祭が終わりを告げるのと同時に、指輪の旅も終わる。
檻に例えられるような、何か、とりあえず何か、に束縛されていた指輪。
それが解放されて、そしてまた元に戻っていく。
幸福な束縛があるのか、絶望の束縛があるのか、それはわからない。
けれどまた次の誰かに出会うその日まで、指輪は眠り続ける。

ってことで、
第1場がプロローグ。第7場がエピローグ。
第3、4、5、6場で濃く表された指輪の世界の、濃縮版が第2場。
というような、確かにそんな流れがある。
・・・ように私は思った。
自分の中で、ある程度勝手な理解を作り上げてしまったから、
わからないショーではなくなってしまった感じがする。
私なりに、わかる。

だけど、指輪の輝きは多面的。
もっともっと色んな輝きを見て取ることができるはず。
輝きの深さを知ることができるかもしれない。
それを考えると、楽しくて仕方がない。
そんなショーを今の雪組で見ることができる喜びをひしひしと感じた。
幸せ。

ここから『マリポーサの花』。

1ヶ月弱でここまで変わるか!!
チカユミ最高!!
一番変化を感じたのが、カフェの場面。
ムラで見たときも、特に「頑張って台詞言ってる感」みたいなものは感じなかったんだけど、
今日と比べると・・・全然違う。
二人の会話の自然さが増した。
大劇場のお客さんに見せる芝居をする、とかそういう意識が良い意味で飛んで、
正塚先生の言う「芝居しない芝居」の境地に限りなく近づいてきた気がする。

が、そのせいで、
ムラで見たときより更に、芝居全体が小・中劇場向きに!!(笑)
二人の周りは、本当に良い空気感で包まれている。
そっけないのに、濃密で、分かりあってる、信頼し合ってる、そんな空気。

だけど、分かりやすい話、声量とかが普通に喋ってるのと同じような感じだから、
ますます内にこもっている様な・・・
でもね、でもね、私はその方が好きだと思った訳。
劇場の大きさをも意識して芝居して、ほんの少し二人の関係性が薄れるのと、
内に内にこもって、ネロコバルの関係性が濃く濃く現われるのと・・・
どっちが良いか、っていうと、内に内に・・・なのだ。

だけど、大劇場でこの内に向っていく濃い芝居を感じるためには、
えらい集中力が必要なんでございますよ。
ムラで2日連続2連チャンをして、マリポサを楽しめるのは1回目だけだった。
2回目は、どうも集中力が続かない。

なので、東宝で2連チャンは、何かない限りしない。
大体普通に見てても集中力途切れそうになるから、
そこを、なんとか繋いで行きたい、観客として。
ムラも東宝も紛れもなく大劇場だけど、
観客の意識で、せめて中劇場ぐらいまで持っていこう。

ソロモンは2階で、マリポサは1階で見れたら最高なんですよ。
一日で席が違うの。

で、この自然さの増した、チカユミにつられて、
テルのロジャー、キムのリナレス。
特にこの二人の芝居も変わっていた。
逆にあまり変化を感じられなかったのが、セリア。
これは、私の好みの問題もあり。

特にテルのロジャーの落ち着きっぷりには驚いた。
ちゃんとカフェの場面の、チカユミの落ち着きに、自分を馴染ませてる。
カフェは、3人のその変化が凄くて、嬉しい場面だった。
時間的に、ここ長くなったんじゃないかなぁ?
台詞を詰めて喋っていた分が、間を取るようになったりだとか、
台詞自体をゆっくり言うようになっていたように感じられたから。

エスコバルと、アリシアの絡みもムラに引き続き良い感じ。
いづるん、上手いよなー。細すぎるよなぁ。
フィナーレ見ると、正直ぎょっとする。
周りも十分細い中で、あの細さは、えらいこっちゃ。
すぐ近くにいる、ゆめみ姉さんの健康体が眩しい。
ゆめみ姉さんのダンス好きなんだ~。気風の良い踊り方をする。

『マリポーサの花』作品として、私のヅカファン人生の中で上位に入る。
って始めに言ったけれど、役としてもネロとエスコバルは上位に入るはず。

ネロが格好良いのは、
守ろうとしているものが、ちっちゃくて暖かいものだからだと思う。
「世界を変えたい。ヒーローになるんだ!」
そんな思いからでは、決してなくて、
自分の手の届く範囲のもの、その中で大切に思っている人たち。
それを自分の命を賭けてまで守ろうしている人だから、格好良い。
範囲が狭いから、その分リアリティがあって、
そこに全力を賭ける彼が格好良く見える。

リナレス。
そしてセリア、イスマヨール。
セリアを中心にして、ネロが全力で守りたかった人たち。
この3人が集まっていて、ネロの守りたい精神に火を付けるのが、
リナレスが入院している場面。
なんとか、リナレスをCIAの手から取り戻した。
でもリナレスの口から出た言葉・・・それにネロの心は動揺する。
結局守り切れていない!!
そんな思いが溢れ出てくるから、その後のセリアとの会話がある。

ネロが守りたかったのは国じゃない。
自分が大切に想う人。
でもその人を守りたいが為に、結果的に戦地に赴くことになる。
地の果てで、セリアと二人きり、他の全てを投げ打って生きることは、
自分にはできない。できない理由は理屈では語れない。
だったら、自分の力で、祖国を守るしかない。
セリアと生きるために。

彼が動く動機は、いつまでも、
ちっちゃくて、暖かい。
だから私はネロが好き。

その一方で、エスコバル。
カフェでのネロの言葉。
「俺が軍を捨てたのは~それがある限り、見て見ぬ振りはできないんだ。」
ここが、ネロがネロの言葉で、ちっちゃくて暖かいものについて語ってる所なんだけど、
(内に秘めた熱さが垣間見れる、凄い好きな言葉)
その言葉を聞いていたエスコバルの表情が・・・

「ない」んだ。エスコバルには。やっぱり。

ネロの言葉に耳を傾けて、
自分にも問いかけてみたけれど、自分にはネロみたいに守りたいものがない。
それを感じさせる表情。
もう、水夏希とか、彩吹真央とかじゃなく、あそこにいるのが、
ネロとエスコバルだからなんだと思う。
エスコバルの心にポカンと穴が開いたような・・・。
エスコバルはこういう奴だから、また愛おしくなる。

で、会心の演技を続けるチカユミ達が創り上げてきた芝居を、
天然でかっさらっていった、緒月遠麻さん。
未来優希さんとは、また違った、かっさらい方をしますねぇ。
ハマコもナチュラルにかっさらうけど、緒月はもっと天然。
ハマコが実力と情熱でかっさらうけど、緒月はキャラでかっさらう。
二人に共通する悪意のなさ。
オヅキは特に、あれだけやってしまっても、この人はたぶん、誰にも憎まれず、
憎まれないどころか、おそらく愛される。よって強い。

正直、ちょっと壊したと思うんだ。
笑いで芝居の雰囲気を。

さるぐつわを再度噛まされるのを嫌い、
「ちょ・・・まてまてまてまてまてまて!!!!!」
もの凄い勢いで慌てておりました、フェルッティ。
客、今までの緊迫感がまるでない、フェルッティの予想外のお茶目っぷりに、
爆笑だったじゃないか。
ファンとしてはそれが可愛くって、可愛くって、ニヤニヤしちゃったし。

ロジャーがさるぐつわ取った後も、凄かった。
ムラで見たときより、必死だ、コイツ。(笑)
で、またうるさいからさるぐつわ噛まされそうになって、
「まてまてまて・・・むぐっ・・・」。
暗転。

ネロに蹴り入れられて「ウッ」って言うし、
なんか、犬にもなってたぞ、緒月さん。
娘の話題が出て来て、「ウゥゥウウ、バウッ」って唸ってたもん。
フェルッティで犬を演じた経験を生かすとか、普通の人には無理。
イタリア人マフィアの演技に、犬、動物を取り入れるな!(笑)

・・・っていうところまで、大好きですけどね。

本当に良い初日でした。
デュエダン銀橋で、首筋抱えとなみ喜ぶリフトがなかった事やら、
そもそも本舞台でのリフトがなかった事やら、
若干の変更点もあったようですが、その辺りは、別のところで確認してください。
初日の挨拶とかも、どこかにそのうちあがるでしょう。

あ~疲れた。(書くのに)
でも本当に楽しかった。
Comment
2階席から
見ておりました。ムラは2回だけで1階席だったから初「ソロモン2階席」、ホントにブラボーの一言です。私も海の場面で泣きました。涙が出てきて…夏希さんのダンスが素敵で…もうオペラ使いたくないけど、見たい、のジレンマでした。
「マリポーサ」も少し変わってますよね。でも良くなってるのは確か。語りたいけどお会いした時に楽しみに。初日から連休中は4連チャンなので、 頑張ってきます。もうどんだけ好きか…恥ずかしいです。
★takeママさん★
私も東宝初回、ほぼオペラ使えませんでした。
あの世界が見れたことが嬉しくて、オヅキだけを追うことを放棄。
ムラで見たときは、『緒月遠麻を見に来たんだ!』って気持ちが強かったからか、
ほぼ、オペラで追いまくってたんですけどねーw

私もいっぱいこの公演について語りたい!!
もうツボに入りすぎて、困ります。

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