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10/3 瀕死の王

2008年10月04日
hinsu

2008年10月3日『瀕死の王』@あうるすぽっと

作:ウジェーヌ・イヨネスコ
演出:佐藤 信
訳:佐藤 康
出演:柄本 明/佐藤オリエ/高田聖子/斎藤 歩/谷川昭一朗/松元夢子


いや~!!
わかんなかった、わかんなかった!!
爽快なまでにわからなかったぞ!!

瀕死の王様(塚本明)がいて、その第一王妃マルグリット(佐藤オリエ)、
第二王妃マリー(高田聖子)がいて、
なんか、この芝居が終わるまでに、王様は死ぬのです。とか言ってて、
で、本当に最後、芝居が終わるところで、王様は死んじゃうの。
王様は死ぬまでに、腰痛やら、痺れから始まって、歩けなくなり、
目も見えなくなり・・・段々と弱っていく、で、死んでしまう。

なんだけど、真面目な芝居だったのか、
コメディー目指してたのか、それすらわかんなかった。
全然わからないよー。

終演後、
「あ~死ぬまでに、あんな苦しいことがあったらやーねー」
と、50、60代ぐらいのおばさま二人組が話しているのが聞こえてきて、
『あ、そういう話だったのかな?』とやっと思った次第。

私をわからなくしたのは、
「王様が、この世の全てを作ったのよ。」
「王様が死んだら、私たちみんな死ぬのよ。」
こんな意味の台詞があったから。

一人の王様が死に至るまでの心理を鮮明に描いた。
って感じの戯曲ではなくて、なんていうか、哲学的??
その哲学っぽいような部分が、全く私には響いてこなくって、『???』状態。
王様が成し遂げたとされることが、到底人間が一生の間に成し遂げられる事柄じゃない。

だから、王様を何かに例えていて、
後ろにもっと大きな意味があるのかな?
と思って見ていたけど、つかめない。よってわからなかった。

あ、唯一思ったのが、
的外れもはなはだしいかもしれないけれど、
王様は「地球」そのものだった説。
「地球」の危機を訴える、人に対する警告演劇。
まぁ、そう考えても、やっぱりしっくりこなかったんだけど。

聖子さんと、佐藤オリエさんが見てみたくて、劇場に足を運んだ。

聖子さんは孤軍奮闘。
これ、聖子さんがいたから、
グダグダになり過ぎて許せなくなる寸前で、芝居が成立したんじゃないだろうか?
「(芝居全体が)こんなんでいいのかな?」
って、心のどこかに疑問を抱きながら演技してないかな?
だから聖子さんは、凄く真面目。
良い意味で真面目。
演劇に対して真面目だと思う、聖子さんは。
芝居全体の空気を乱す訳では全くなく、でも自分のスタイル、想いを貫いて、
板の上に立っていたような気がする。

とにかくね、柄本さんの台詞忘れ?が原因の笑いが多すぎる。
台詞を忘れてしまう・・・一度や二度なら、もちろん許す・・・というか、
ちょっとした舞台ならではのハプニングとして、面白いもの見た~♪と喜んだりしちゃうけど、
何度も続いて、しかもそれが、話の腰を折るとなると、喜んでもいられなくなる。
「またか。」と。

柄本さんも、きっと凄いだろうな。
と、女優陣二人に負けず劣らず楽しみにしていたのに、
ちょっと、なぁ。
わざとじゃないよなぁ??
わざとだったら上手すぎるけど、
わざとだったら、オリエさんもあんなに笑わないよね??
全員が素で吹くような場面が、何度も。
笑っちゃうけど、芝居自体が面白いから笑うんじゃなくて、
役者さんの素が見えちゃうのがおかしくて笑う。
役者の素が見えるってのは、芝居の世界から現実の世界に引き戻されるってこと。
だから、嫌だ。

突然、感情が頂点まで高まるような、
その芝居の勢いとか、緩急。
あとは、弱々しい王のボーっとした台詞回しとか、
やっぱり凄いんじゃないかな?と思わせる部分も、もちろんあったにはあったけれど、
そこを気持ちよく評価できない感じ。

オリエさんは、最後、王を死へと導く長台詞とか、
なんだか良くわからないけど、凄かったなぁ。
存在やら声に威厳やら、毅然としたオーラがあるです。
もっとぶっ飛んだ役で、また見てみたい。
今回の王妃もぶっ飛んでいるといえば、ぶっ飛んでるけど。

あと今日は、下手の端っこで見ていたんだけど、
舞台の下手側の隅に永遠、兵士を立たせていたのは、
あれ、不親切。
少しでも、下手の側面にズレてくれれば、下手端でも視界は十分確保できただろうに、
なんでわざわざあそこに立たせるのか。
前方であればあるほど、あの位置に兵士が居るってのは邪魔なはず。
現に私は、ちょっと苛立ったw

あそこにあぁやって立たせる必要があるんだったら、
前方下手は売り止めにするべきじゃ・・・?

イヨネスコさんは、不条理劇作家なのか。
そうか、見てて「これって不条理劇ってヤツか?」と思ったのは正しかったんだ。
不条理劇とか言われると訳わかんなくて、とーぜん!って感じがしちゃう。
そもそも、不条理劇がどんなんなのか、とか良くわからないけど。

あーでも、イヨネスコさんと共に挙げられてる(ウィキ参照)、
エドワード・オールビーの『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』は、
大好きだったけどなぁ。
結局は、翻訳と演出が好みに合うかどうか、なのかもしれない。
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