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9/5 人形の家

2008年09月06日
ロープと絵が同じ人

2008年9月5日『人形の家』@Bunkamuraシアターコクーン

作:ヘンリック・イプセン
演出:デヴィッド・ルヴォー
出演:宮沢りえ、堤 真一、山崎 一、千葉哲也、神野三鈴、松浦佐知子、明星真由美 ほか


えーっと、なんかちょい混乱してます。

舞台自体を客観的に見たら、良い作品。
緻密で、繊細で、丁寧で、落ち着きがあって、
でもどこか新鮮で、挑戦的で・・・

良い舞台だった、って確かに言えるのに、
モヤモヤしているのはなぜでしょー。

頭では良い舞台だ。ってわかるんだけど、
心がそこについていってないんだよな。

宝塚はここにも歪みをもたらすのか・・・
私の今の一番は緒月なんだなぁ、もう堤さんじゃなくなっちゃったんだなぁ。
久世さんにも気持ち動きまくってたけど、
堤真一が私の一番。って、もう何年も思っていて、それが常だった訳で。
でもその気持ちも当然、変化してたんだな、と。

堤さんは相変わらず、好き。
だけど一番じゃない。
だけど一番だと思い込もうとしてましたね、ずっと。
それで、もやっとしたんじゃない?私。

あと思ったのが、こんなこと言ったら堤ファンの中で変わり者かもしれないけど、
私、舞台の堤真一より、映像の堤真一の方が好きなのかも!?
だって家帰ってきて、
「私もう堤さん見てもキャーキャーしないのかなぁ・・・」と思って、
ためしにドイツ通見てみたら、普通にときめいたわ。(笑)
生見ても、大してときめかなかったのに、映像でキャー!
って、え、なんで?
ドイツ通の、あのマフラーを巻いてもらった後の笑顔、たまらないですよね。
「最高だぁぁぁ!!!!」ってこっちが叫びたくなる、優しい笑顔で。
あー好き~、超格好良い~。

・・・違う、ドイツ通について今更語るんじゃなくて。

舞台って席によっては、細部まで表情を読み取れない。
遠目で見た雰囲気では読み取れるけど、
でも本当に細かい表情を感じ取ろうとしても、ちょっと無理だ。
かと言って、オペラグラスを使うのも違うと思う。
やっぱり、オペラ使った時点で、生のものじゃなくなっちゃう気がするから。
目だけの感覚しか残らなくなってしまうような。
だから、オペラグラスもこういう芝居では使いたくない。
すると、やっぱり表情を読み取るのは難しい。

私、つっつんの繊細な表情が特に好きなんじゃ??

つっつんが一番だった時は、シルエットだけで、キャーキャーできたと思う。
でも一番じゃなくなった今、どこに一番キャーキャーするかっていったら、
表情なのかもしれない。
今日の席は、作品全体は良く見えても、表情まではわからなかった。

キャーキャーしたい期待値と、自分の好きとが噛み合わなかったから、
一つ、モヤっとしたのかな。

あとは、『人形の家』って作品自体にか?
テイストとしては、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』に似てます。
舞台の形状にしてもそうだし、
一つ一つの台詞が緻密なところとか、
一人一人の感情の変化が複雑だけど、丁寧に描かれてるところとか。
演技に込められた感情を、敏感に察知して読み解いていくのは、
本当に楽しい作業。私、結構好き。

でも、ヴァージニア~の時みたく楽しめなかったのは、
『人形の家』には結局、主題めいたものがあって、
それが押し付けがましかったからかもしれない。
似てるから比べてみるけど、ヴァージニア~はもっと、曖昧だった気がするんだよね。
曖昧だから、あぁだこうだ、考える余白があったけど、
『人形の家』はその余白が少ない。

「私は、あなたの人形妻だったのよ、実家で、パパの人形っ子だったように。」
「自分を教育しなくちゃ。」
「何万、何十万という女はそう(←自分の名誉を犠牲に)してきたわ。」

とか言われちゃうと、やっぱりそういう話だ。
って方向に、頭は働くでしょ。
でも、あんまりこう言うノラに共感はできなくて。
子供の立場で考えても、お母さんがいきなり家出てっちゃっても寂しいし、
こんなノラが、いきなり社会に出ても何もできるはずがない、
ってトルヴァルの意見の方に「だよねー」って共感しちゃうし。

ノラの気持ちもわかるけど、トルヴァルの意見もわかる。

だから結局、どっちつかずで。

パンフ読んでみると、もっと広くもっと深い部分で、
ノラという女性を、『人形の家』を感じて欲しいってデヴィットは言っていて、
それもなんとなくわからなくもないんだけど、
でも、そういう風には、今日見た時点では感じられなかった。

デヴィットの話を簡単にまとめると、
ノラが、妻の役割を放棄して出て行ってしまう結末ではなくて、
求められるがままに嘘をついて、本当の自分を隠して生きてきたこと。
そこから生まれる矛盾、苦悩。
更には、大きな犠牲を払って、嘘から自分を解き放った、ノラのエネルギー。
この辺りを感じて欲しい、って事だと思うんだけど・・・

でもやっぱり、女性の自立~みたいな方向で捉えちゃったよな、今日は。

ただ、ノラが家から出て行く場面。
彼女、劇場って空間からも抜け出す。
そこに、この舞台全体のポイントを見たような気がした。
要は劇場全体が、それぞれの偽りの空間ってことだよね?
それぞれ、って私たち観客も含めてね。
偽りの自分から、いち早く抜け出したノラ。
観客達もそれに続け。
ってことだと思う。

だって、普通にはけても成立するのに、
わざわざ最後だけ階段昇らせて、ドアから出て行くから。
で、また見せ方が照明含めて綺麗なんだ~

役者さんたちは、それぞれ、さすがの一言ですわ。
初日からこの完成度の高さ!
若干、宮沢氏が台詞噛んでたけど、
でも理想とするノラが、もうそこにいたと思う。
最初は、子供っぽく、それこそ小鳥のように、可愛らしく鳴き、懐き、
トルヴァルの周りを飛び回る人。
それが、自分の嘘がキッカケで追い詰められ、冷静さを失い、
そこから立ち上がったとき、何か殻をやぶったかのように、強くなる。
声の感じからもその変化は明らかだったし、
強くなるまでの、可愛いだけのノラも自由奔放で、らしい。

堤さんは、こういう役もこなせるんだよなぁー。
上手いよ、上手いし、格好良いけど、
そもそも私、あんま好きじゃないしな、トルヴァルが。
妻にデレデレ、妻は自分の持ち物。
そういう時代だったんだろうし、無意識にそう思っていても、仕方がないと思う。
だけど、やっぱりノラのサイン偽造を知った時の罵倒っぷりときたら。
また、その後、コロッと態度が変わるのも、ムカつくし。
あれが、堤真一じゃなかったら、更にムカつくわw

コートとか着てる場面が多いからかなー?
ちょっと、ガタイ良くなってないか、つっつん。
もうちょっとスラっとしたイメージあったんだけどな。勘違い?
あ、至る所でノラとキスしまくるので、特設Sで見る方は覚悟をw

クロクスタの山崎一、ドクター・ランクの千葉さん。
二人ともイメージ通り!
山崎さんは、何やらせても上手いよなぁ。
素はとんでもなく、ほえーんとしてるらしいのに、クロクスタもハマる、その実力。
何しでかすかわからない不気味な雰囲気を確かに感じさせる。
リンデ夫人とよりを戻してからは、彼から生きる希望を感じる。
ほのかにだけどねw

ランクは、ちょっといやらしいというか、死のイメージが付きまとう人。
あとノラに対する、純粋な思いと、邪な思いも。
戯曲読んでも、不気味な人で、
またノラもそんな男に、魅惑的に絡んでいくんだよなー
そこがなーノラなのかなー。
イメージが付きまとう人、って書いたけど、そう見せることが難しいはずなのだ。
千葉さんは、それをやってくれる役者さん。ちなみに声良すぎ。

神野さんはね、前々から思ってたんだけど、
この人、久世さんと雰囲気がかぶる。
パンフ見ると全然似てないんだけど、立ち姿とか、演技の雰囲気とか。
ま、久世さんより女らしいけどw
シャープな空気感のある女優さんかな、って。

前に戯曲を読んだ時には何も思わなかったんだけど、
リンデ夫人の生き方こそ、今っぽいんじゃないのかな。
だって、クロクスタが主夫やるってことでしょ?
仕事ないじゃん、恋人。
でも、一緒に生きるんでしょ?
クロクスタが、リンデにとって、生きる気力になるんでしょ?
「あ、そういうことかー」って思えたのが、なんか発見で楽しかった。
トルヴァルとノラは初め明暗で言うなら明の夫婦で、
クロクスタとか、リンデは暗の人たちだったけど、
これからの未来は、クロクスタとリンデの方が、慎ましく明るそう。

乳母とメイドが出番の割に豪華過ぎ。
ただ、この豪華さが、この舞台の質の高さの理由かと。
やっぱり松浦さんだから良いし、明星さんだから良いんだよ。
松浦さんの、乾いた感じ。
明星さんの、淡々とした感じ。
この安定感があるからこそ、だと思う。
明星さんは、ホント台詞少ないよー

気を抜いてしまうともったいない、と思われる舞台で、
もの凄い集中して見るから、疲れます、とても。
所々、間延びしてるような場面もあるんだけど、
元がそういう戯曲だから仕方がないとして、
とにかく、集中、集中、集中!です。

言った本人と受け取った本人とでは、
言葉の捉え方が違ったりするのが、面白いんだよな。
知らずに相手を追い詰めてる。

カーテンコールは、4回ぐらいあって、最後はスタンディングオベーション。
・・・そこまで面白かったかな?って思いもどこかにあるものの。
印象的だったのは、1回目、堤氏とりえちゃんが、抱き合って、
堤さんがりえちゃんのおでこに、キスを・・・
でもなんか、仲間・同士って感じで微笑ましい。
今の宮沢りえなら、水尾いけたよなー(まだ言ってる)
デヴィットも途中から出てきて、つっつんとりえちゃんの間に入り、肩抱いてました。

以上。初日感想。
Comment
私も初日に観て来ました。
堤さん目的で観に行ったため1幕と2幕の登場していないシーンで
少し気を抜いてしまったのですが(汗)3幕の堤さんとりえさんのやりとりには
とても引き込まれました。
あと何回か観に行くので初日を観ただけでは
自分が感じ取ることが出来なかった一人一人の役の感情を
感じられればな~と思ってます。
ちなみにキスシーンが多いのでちょっとイラっとしました(笑)

そして次回のいのうえ歌舞伎に堤さん出演のチラシを見て
一気にテンションが上がりました。
脚本がクドカンなので可能性低いと思いますが、
朧のライ以上の大悪党な堤さんを期待しちゃってます。
★ごまさん★
同じく、初日、ご覧になったんですね~
あの空間の中に、ブログを見てくださった方が・・・
気を抜いてしまった気持ちわかりますw
演技がどうこうって訳ではなく、
そもそものノラとリンデ夫人のやり取りとか、まどろっこしかったりしますよね。
あの、ノラが自分がしてきた苦労を、喋りたいのに、隠す・・・
みたいなところが、特に。
「喋りたいなら、早く喋りなよ。」って。(笑)

私もテンション上がりました~!!
一人で見に行ったのに、チラシ見て、
「うわーやったー・・・」って声が。(ちっちゃくですけど)
欲を言えば、中島さんで見たかったかな。ってキャストですよね。
クドカンも好きですが、正統派の新感線はやっぱり、中島さんかな、と。
でも楽しみであることには、変わりありませんよね!
まずはチケット取り頑張りましょー先が思いやられるーw

『人形の家』は立ち見でも見やすそうだったので、
ひょこっと見に行ってみようかと思います。
また解釈が変わりそうな所を、楽しみに・・・
確かに立ち見で見ると印象が変わりそうですよね。
初日の席は通常舞台がある方向から見たのですが、
次回はMR列の俯瞰からの席なので見え方の違いを楽しみたいです。

やはりいのうえ歌舞伎は中島さんで見たいと言うのが
本音なんですけど、笑い少なめなクドカン脚本も楽しみです。
そしてチケット取りと言えばシスから「舞台は夢」のハガキが届きましたね。
こちらのチケット取りにも気合いが入ります!
★ごまさん★
私もあと持ってるのが楽日のチケットなんですが、それがMRなんですよ。
普通の舞台よりは見易そうなんで、すこーしだけ楽しみにしてます。
苦手なんですよね、斜めから見るのって、
首が疲れたと思ったら、そのまま疲れが頭にもきちゃう感じがしてw

シスから先行案内届きました!
が、バイトだ!!
電話じゃなければ、トイレに逃げ込んで・・・って手が使えるんですが(おい)、
電話だと厳しいですねぇ。
取ろうと思ったら1時間、2時間、出て来れませんよ、トイレの個室から。(笑)
でもせっかくの機会なので、なんとか対策考えて、
チケットゲットしておきたいところです。
とりあえず、1回でも見れる安心を!
先日、MR列から見て来ましたが、通常の舞台よりやはり見易かったです。
1階席だとお芝居に集中して見ているつもりでも
なんとなく正面の客席が気になるのですが、
MR列は舞台を見下ろすのでそこだけに集中できました。
四方に花の絵が描かれていた事も1階席の時には気付きませんでした。
あと、3幕のお酒に酔ってる堤さんの演技が初日よりちょっとはじけてました(笑)

チケット取り、私も写楽考の時は仕事中だったため、
トイレに籠って(笑)電話掛けてなんとか取りました。
なつさんも頑張って下さい!
★ごまさん★
お返事が遅れてしまい、すみません。
でも、今日で、ある意味ピッタリ!
チケット取れました~トイレにこもることなく!(笑)
楽日など、人気がありそうな日は諦め、
きちんと13時からの休憩時間中にチケットGET。

キッチリ2公演分抑えておいたら、一緒に働いてるおばちゃんたちに、
「7千円以上するのに2回も見るの?」と・・・。
『そっか、芝居ってチケット高いんだ。』
と改めて思った一瞬でしたw
ファンにしてみりゃ、値段なんて関係なし!チケット取れて、とりあえず、安心ですっ。

今回、繋がりやすかったんですかね?
「舞台は夢」のチケット、トイレの中ではなく(笑)
休憩時間中に無事に取れて良かったですね!
今回は今までより断然繋がりやすかったと思います。
そのおかげで、なつさんの言うとおりキャストが夢過ぎる(^^)
この舞台の初日1列目のチケットが取れました!

舞台のチケットって確かに高いんですけど、自分が絶対見たいと思ったら
値段を考えず枚数取ってしまいますね。
新感線を最低2回以上見る私は今回のチケットは
安い方かなと思っています。
チケットに関しては恐ろしく金銭感覚が麻痺してます(汗)

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