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8/19 八月納涼大歌舞伎 第三部

2008年08月20日
2008年8月19日『八月納涼大歌舞伎 第三部』@歌舞伎座

第三部

一、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)
     
     更科姫実は戸隠山の鬼女  勘太郎
              山神      巳之助
           従者右源太     高麗蔵
           同 左源太     亀 蔵
            侍女野菊     鶴 松
            腰元岩橋     市 蔵
             局田毎      家 橘
         余吾将軍平維茂    橋之助


二、野田版 愛陀姫(あいだひめ)

              濃姫  勘三郎
             愛陀姫  七之助
        木村駄目助左衛門  橋之助
          鈴木主水之助  勘太郎
              高橋  松 也
           多々木斬蔵  亀 蔵
            斎藤道三  彌十郎
           祈祷師荏原  扇 雀
           同  細毛  福 助
            織田信秀  三津五郎


まず、『愛陀姫』の感想からね。

広末涼子、宮沢りえ、松たか子、深津絵里、毬谷友子、羽野晶紀、大竹しのぶ・・・
ここにさ、中村勘三郎って入れられないでしょ。
野田作品のヒロイン、第一の必須条件は「声」なんだと思った。
改めてと言うか、今日気づいたというか・・・
(堤真一、妻夫木聡、唐沢寿明、藤原竜也の中だったら、
 十分、中村勘三郎の名前は入る。ちゃんと野田地図で一度見てみたい。)

キャスティングミスじゃないのかな?
まだこっちの方が、しっくりくるんじゃないだろうか。

福助さんを濃姫に持ってきて、
荏原の扇雀さんを細毛にスライド。
濃姫だった勘三郎さんを、荏原へ。

声とあと見た目も考えると、福助さんの方が濃姫にハマる気がする。
福助さんの方が、狂気じみた愛情とか憎しみを表現するの上手そうだし、似合うでしょ。
七之助の愛陀姫は、予想以上に良かった。(ちょっと遠目から見ると、となみに似てたw)

そもそも何の変哲もない、脚本と演出だった時点で、
「あれれ?」って感じなんだけど、
その上、ヒロインの決めの台詞が生きてこないから、余計に辛い。
濃姫が、織田家に嫁ぐ際の橋?の上での台詞がおそらく決め台詞なのに、
勘三郎さんの女役声は、しゃがれ過ぎで台詞が生きてこない。
(台詞自体も見せ場になるか、謎だったけど)
ってことで、そもそも見せ場がないのに、
唯一と言っていいぐらいの見せ場が、あれじゃ~・・・

そこもね、ヒロインの声が野田作品チックだったら、
雰囲気で乗り切れちゃったかもしれない。
毬谷さんとか、羽野さんとかだったら、案外ひょいと。
でも勘三郎さんの声じゃ無理。
演技がどうこうって以前に、声がダメだと思う。

他も、野田さんがやっちゃいけないことなんて、私が決め付けることじゃないんだけど、
むしろなんでもやって欲しいんだけど、
でも、紗幕に合戦の映像を映した時点で、嫌な予感がした。
研辰は影絵だった良かったんであって、
スクリーンをスクリーンとして使うのは、野田さんのやることではないんじゃ?
にしても、今どの舞台でもこういう映像を作ってるのは、奥秀太郎さんなんだなー。
宝塚もお世話になってるよね。

鼠小僧は映像で、研辰は襲名の時の再演を生で見た。
研辰は、盆を使った多用した演出が小気味良く、
野田秀樹独特の台詞と相まってテンポ良く話が進んでいったのに、
ホント、『愛陀姫』はどうしちゃったんだよ。

展開がもさもさしてるし、綺麗な言葉も見つけられなかった。
言葉の綺麗さや、面白さに夢中になっているときに、
ハッとその言葉が現実と繋がって、深い意味を持ち、
自分に向って突き刺さってくるのが野田さんの舞台の好きな所なのに、
そういう好きだと思える所がなかった。
ただのギャグ止まり?

役名にしても、木村駄目助左衛門とか、見て聞いた時点で、
「ラダメス」って役名を知っていれば、誰でも簡単にわかってしまうのに、
そこをあたかも、上手く隠したでしょ!って見せられても、「ふーん」で終っちゃう。
そういうお遊びは大好きなんだけどさ。

どっぷり新しい歌舞伎を作りたいんだったら、中途半端な笑いなんてなくせば良い。
祈祷師二人の笑いとかは、いらない。
あそこも真面目にやってしまって、
その分、駄目助左衛門、濃姫、愛陀姫の関係を濃く描く。

思っていたよりずっとオーソドックスで、
期待していた斬新さや、衝撃がなかったから、
こんな消化不良な気持ちなんだろうか。
キムシンのが、面白かった。って思っちゃうのもイヤダ。(笑)
私、野田ファンだもん。

散々言ってしまったけれど、全てこの前の『紅葉狩』に救われる。
やっぱり、私、勘太郎大好き!
動きが激しい踊りも好きだけど、勘太郎だったらこういう静かな踊りも見ていられる。
楽しいな♪楽しいな♪ってずっと見ていられる。
10秒に1回ぐらい足を踏む?音がダン!ってしてビックリしないと、
大抵睡魔に襲われて、そのまま闘う間もなく負けてしまうんだけど、
勘太郎なら足鳴らさなくても大丈夫です。

最初の姫の踊りは色気もあって、しっとり。
扇を使い出してからは、扇から、鱗粉出てたw
睡眠薬みたいのが、ふわ~って飛んでいくような。
その辺りから、だんだんと人ではないものの舞の妖しさが見え隠れしてきて、
鬼の気配を感じて、ワクワク。
そろそろぉ~っと下手に移動して、カッ!と振り向いた瞬間に、
表情が完璧に鬼に変わった。
いや、表情だけでなく、纏う雰囲気まで鬼の荒々しさに変わった。
ゾクゾク。

こーいう表現を見せ付けられちゃうから、好きなんだよー

完全に鬼になってからの、立ち回り等は、安心して見ていられる。
迫力あり。満足満足。

途中で踊ってた子供。
「上手いなー勘太郎と同じ匂いの踊りだ~」
と思ったら、鶴松君か。
日本舞踊の上手い下手とか全くわからないけれど、
あれは凄く上手いんじゃないだろうか。
あの年にしては・・・って鶴松君の年、知らないわ。

技術的な上手い下手は別にして、これなら私にもわかる。
踊りに華があると思う。
人を惹き付ける何か。
私は鶴松君の踊りから、その華を感じた。
将来どんな役者さんになってくれるんだろう、とっても楽しみ。

第三部をもう一度見ることになっているんだけど、
とりあえず『紅葉狩』をもう一度見れるのは嬉しい。
『愛陀姫』は、面白い!と思える、発見があればいいんだけどなぁ~
Comment
こん
お久しぶりです~。
私も今日、三部見てきました。
「愛陀姫」は正直、私もちょっと物足りない感じでしたが、まあそれなりに
楽しみました(^^;
ただ、あれは野田さんの芝居を歌舞伎座で歌舞伎役者が演じているだけであって、歌舞伎ではないんじゃ・・・とか思ったり(わかりにくくてすいません)。
鶴松君はすごく上手でしたね!誰それの息子(いわゆる御曹司)でない部屋子であんな大役がつくこと自体、珍しいことですよね。それだけ将来が楽しみだな~と思いました(^^)
★ぱこさん★
良く勘三郎さんは、歌舞伎役者が演じれば、それは歌舞伎だ!
って言ってますからね~私も歌舞伎ってなんだかわかんないしw、
それでいいんじゃないかなぁ、って思ってます。
新しいことに失敗しつつも挑戦する姿勢が、かぶくことなのかも?

鶴松君はあれ、本当に上手かったですよね!
嬉しい発見でした。
野田歌舞伎の方も気にして探してみたら、巫女さんの中とかに居た気がします。
周りと比べると一回り小さい。(笑)

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