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6/14・15 凍てついた明日

2008年06月16日
美しきクライド

2008年6月14日、15日『凍てついた明日-ボニー&クライドとの邂逅-』@宝塚バウホール
14日→11時、14時30分
15日→11時

作・演出・出演者→こちら(Bバージョン)


6月3日→1、2回目

3日に2回見て、14、15日で3回見て、5回目でやっと気づいた。

凰稀かなめのクライドは、若いんだ。
若いゆえに、考えも浅いし、
ギャングをやっていることだって、本当にただ格好つけたいだけ、
粋がっているように見せたいだけのよう。

本当は誰かに抱きしめてもらいたいだけなのに、
そうしてもらう方法を知らなくて、知っていたとしても選べなくて、
寂しいって全身で叫びながら、強くもないのに、強がって、逃げ場を探す。
その結果、人を殺める。

浅はかだと思った。
テッドの言う通り、クライドは弱虫だ。
格好良くもない。

でも愛おしいと思った。
クライドの存在を自分の近くに感じた。
でも私はきっと、テッドとかネル側の人間だよ。
だからこそ、クライドの事、愛おしいと思ったのかもしれない。

現状から抜け出したい。
全てがどうでもいい。
明日に確かな希望なんてない。
それなのになぜ生き続けなきゃならない?

テルはこういうジレンマに、等身大の自分で立ち向かっていたと思う。
タータンのクライドには、得体の知れない怖さがあったよ。
底知れない暗闇みたいなものを感じもしたよ。
表面は軽かったけど、底を覗くと真っ暗で、悲しくて、寂しかった。
私はずっとそんなクライドに会いたいと思っていた。
でも今、クライド・バロウを演じているのは凰稀かなめだ。

凰稀かなめの持つ若さや美しさに気がついた時、
やっと凰稀かなめのクライドに出会えた気がした。


深さがなくたっていい。
正直薄いような気もするけど、それでもいい。
格好つけたいだけのチンピラに見えたっていい。

全部、全部ひっくるめて凰稀かなめのクライドが好きだ。

テルのクライドが少し理解できた時、またテッドの気持ちも理解できた。

仕立ての良い服が着たい、車が欲しい、美味いもんが食いたい・・・
でも今のこの現状じゃ絶対にそんな事、叶えられない。
それなのになぜ、今自分はここにいる?

テッドも間違いなくこう思ったことがある。クライドと同じ。
何かタイミングが違えば、自分がクライドと同じ立場に立っていたかもしれない。
今まで頭の中で理屈としてでしか理解していなかった「紙一重」という言葉が、
クライドに近づけたことで、気持ちとして理解できた。
クライドに近づいたから、テッドにも近づいた。

タータンのクライドはね、なんていうんだろうか、
架空のお芝居という世界の中で、成立するだけの力を持っていたと思う。
ボニーもクライドも現実に存在した人だとしても、芝居として上演するなら、
ある程度脚色が必要だろうし、とにかくドラマを見せなきゃいけない訳じゃないですか。
タータンには、そういう物語を見せる力があった。

あの、でも正直あんまりないんだよ、テルにその力は。
これって結構、役者としては致命的なのかもしれないけど、でも一長一短ですから。
足りない所を補って余りある美貌。
致命的な部分を補って、余るんですからね!?
演技で説得できないなら、見た目で説得。
凰稀かなめはそれができる。

いいじゃん、それで。

私はそんな凰稀かなめにしかできないクライドだからまた愛おしいと思ったんだ。

全体が良く見えるような席で見ると、
改めてハマコすげぇ・・・って事に気がつく。
何やらすの、荻田浩一は、未来優希さんに。

この芝居を温かく見守る役目もハマコに任せて、
この芝居を苦しめる役目もハマコに任せますか。
副組長は、大変だなw

まずハマコの記者は、あれ基本あったかい役だ。
成り行きを、優しい眼差しでずっとずっと見つめている。
いいよ、うん、いいと思う。
問題は、フランクですよ。
外側で優しく見守っていた人に、
外側からとんでもない圧力をかける役をやらせてるんですよ。
しかもハマコ、上手いから。
上手いから目立ちすぎて、おかしいんだよ。ハマコが一人でおかしい

「行き場のない思いを背負いきれなくなって、ぶちまける子供」
「生きているだけで目障り」

とかなんとか歌いながら(基本歌詞は適当です。わからん!)、
クライドたちに向って銃はぶっ放つはで、凄いんですから、ハマコさん。
怖いんですから、ハマコさん。
かと思ったら、記者に戻った時には、事件の結果に心痛めてますから。

もう何、この人。
もはや笑うしかないわー

2幕冒頭も「闇に紛れ消えたヘッドライト」とかってバリバリに歌ってらっしゃいますけど、
この「ヘッドライト」って言った瞬間のポーズの格好良さったらないんですよ。
指先までビシっと気合入ってて、ハマコオンステージ。
あとカーテンコールのとびっきりの笑顔。
もうなんでそんな嬉しそうに手を振ってくれるんですか!?
22日、友達と見るから、一緒にハマコに向って手振ろうかな~w
気がついてくれたら、ニコ~って笑って手を振り替えしてくれるはず、ハマコなら。

ハマコがオンステージしなければ、他の子達の未熟さが目立たないんだけど、
ちょこちょこハマコがジツリキを発揮してしまうから、
発揮せずには居られないお方だから、
穴としてみえてしまうんですよ、特に歌唱力の乏しさが。

ブルースレクイエムが弱いのが嫌。
見れば見るほど、残念な気持ちになる。

今歌ってる子達を否定したくはない。
あの歌声を伸ばしていって欲しい。
でも、伸ばした先にある、
「上手いだけではなく物語を紡ぐ歌声」を持っている人が舞台の上にいるのも知っている。
ってか、あっちがアピールしてくるw

歌声だけでも物語を作れる人に、歌って欲しい曲なんだね。

贔屓目抜きで、オヅキの歌声って、そういう紡げる歌声になってると思うよ。
ハマコの次に、心ざわつく歌声を聞かせてくれるのが、オヅキ。
少なくとも私にとってはね。
次がみなこちゃん、かな~??

ハマコが歌うと、自然に気持ちが高揚するんですよ。
こういう高揚感が芝居を締める役割を果たしていると思うから。
ハマコがいるおかげでダレないけれど、
ハマコがいるせいで、足りない所が余計に照らされる。

でも私、こんな未来優希が好きで好きでたまらないんですよ。
これからも雪組子を、そして特にオヅキをw鍛えてやっておくんなまし、ハマコさん。

なつきちゃんのボニーは思っていたよりも全然良い感じ。
アルセストとセリメーヌだったとは思えないよなー。
テルのクライドとセットで見ているせいか、やっぱり、なつきボニーも幼い。
逃げ道として選んだ先が、人として道をはずれ過ぎていたけれど、
痛みが深いから道を外れたというより、
流れであぁなってしまったという感じ。
だから話自体もサラサラ流れていく。

今回(Aも含み)、冴輝ちはや、真那春人、彩風咲奈の3人を気にしたい下級生として認識。
Bのまなはるジェレミー。
今日、最後の「死にに行くことないじゃないか・・・!!!!」って絶叫に、
泣かされてしまいましたよ。
あそこで、劇場の空気が泣きモードに入ったのを感じた。
安蘭けいと北翔海莉を足して二で割るという、難しい計算をやってのけたような顔立ち。
結構好きな顔だ~。
まだまだ男役として足し算できる部分がたくさんあると思うけど、
でも、頑張ってるその姿が格好良い。ガンバレ。

彩風君は、ピエロやったから愛称ピエロ?
君を愛してるのピエロって、彩風君だったんだよね?
ジョーンズ役なので、外国の少年っぽくパーマをかけて・・・
若干、もりえに似てるかな?
ワンフレーズだけ歌ったブルースレクイレムで綺麗な歌声を聞かせてくれた。
ここからどう男役声になっていくのか、気になるところ。
「どこに行きたいの?」と、ボニーと話してる場面が好き。

これは今考えてみれば、毎回感じていたことだけれど、
背景がうるさい気がする。
オーディエンスと、真ん中の差があまりない。
ここもまた物語が埋没する理由なんじゃないかな。
なんか初演見たときみたいに、すっきりしないんだよなー。
場面の中心になる人の力不足、かな。
個人的にコマは好きだけど、でもコマとか危ないと思う。

コマのレイモンドは、何が足りないんだろう。
色気?
全体的に若い『凍てついた明日』はありだけど、でもレイモンドには危ない色気が欲しい。
コマちっこいからな。
そこがまた良いんだけど、でもメアリーと身長大差ないからな。
声も頑張って出してます!って感じが、見ていて疲れてしまうのだ。
力の抜けた沙央くらまにも会ってみたいわー。

バウ組の男役さんは、やっとほぼ全員覚えられたかな?
なんか誰見ても名前がわかるってのが、嬉しくて。
娘役さんも覚えようよ、アタシ。

5回目でやっとこの『凍てついた明日』の見方がわかったような気がする。
あとは、22日、楽日の朝昼を残すのみとなりました。
どんな『凍てついた明日』に会えるのか、楽しみに・・・
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