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6/3 凍てついた明日

2008年06月04日
美しきクライド

2008年6月3日『凍てついた明日-ボニー&クライドとの邂逅-』@宝塚バウホール
11時、14時30分公演

作・演出・出演者→こちら(Aバージョン)


ただ今帰りました。
で、行きます。

まずは、宝塚バウホールについて。
入るまですっごくドキドキしたよ。
ついに、バウデビューだ!ってさ。
階段昇って、チケットもぎってもらって客席に入る・・・

あ、なるほど、いる。
間違いないわ、この劇場。


積み重ねてきた歴史の優しい重み。
暖かく、でも時に厳しく、全てを包み込んでくれるような空気感。
想いが染み渡ってる劇場。

久しぶりにこういう感覚になった。
劇場に宿っているものを感じたっていうか・・・
歌舞伎座入った時は、血が沸き立つような気がしたし、
本多劇場なんかはちょっとアングラ・・・まではいかなくても、
小劇場のあの雰囲気がぎゅっと詰まってるのを感じたし、
劇場と初めましてするのは、とっても楽しい。

なるほど、確かにバウホールには神様がいるのかもしれない。

本当にそこにしかない空気を一瞬感じた。
感じられたのは1回だけで、あと出たり入ったりしても何も感じなかった。不思議。

そんな劇場で、『凍てついた明日-ボニー&クライドとの邂逅-』を見る。
適当に選んだ訳じゃない。
この作品が見たいから選んだ。
この作品に出る緒月遠麻がすっごく見たかった。

本日の席は1回目が2列目センター。
2回目が5列目センター。
割と近め。

さーて、どこから行こうかな。
やっぱり主役の凰稀かなめからいきましょうか。

テルのクライド。
まずなんと言っても美しい。
美しすぎる。
テルの美しさはそのままイコール男役としての格好良さに繋がる。
なんて素晴らしい容姿の持ち主。

凰稀かなめのクライドは、冷たかった。でも優しかった。
彼が時折見せた笑顔。
その笑顔が優しければ優しいほど、切なく、哀しくなった。

「良いヤツ」、「良い子」。

うん、クライドは本当に良い子だったんだと思う。
こんな時代に生まれなければ、こんな時代に育たなければ・・・
あの綺麗な笑顔が証明してくれる。
そんな優しいクライドが、ただただ逃げ続け、救いを求める姿が痛い。
逃げられないのはわかっているのに、それでも逃げずには、抗わずにはいられないんだ。

ひび割れた車の窓ガラスに、光が差し込んで輝く。
それがこの物語の始まり。
そんなガラスのように綺麗なクライドだった。

ってか、始まりのシーンが最後と同じ意味を持っているのか、これ。
この壊れた車の扉と、看板が一つ目立つように吊るされているんだけれど、
BONNIE→
←CLYDE
あぁ、ほら矢印まで逆向いちゃってるよ。
近くにいるのに、違う方向を向くしかない二人。
そういや、最後に「愛してる」って言わなかったか。
「愛したい」っていう希望だけ・・・

今日は、Aバージョン千秋楽。
ボニーは愛原実花。
愛原実花は銀薔薇の酔っ払い演技を見て、
「あ、演技できる子かも」と認識したんだけど、
続く『君を愛してる』では、大した台詞もなく演技を見るに至らなかった。
今回はガッツリ。

正直、ボニーとしては私の望んだボニーとは違っていたかも。
私の中には初演・月影瞳のボニーのイメージがあって、
そのグンちゃんのボニーは硬質。そして諦めからくる虚無感を漂わせていた。
みなこちゃんのボニーは柔らかくて、丸い。(えぇ!見た目の印象もありますとも!)
で、漂わせていたのは、虚無ではなく、狂気だ。
生きることを諦めて、絶望して、そこから虚無じゃなくて、狂気に走った。

「ママに会いたい・・・」
「愛してる、愛してる、愛してる・・・」

台詞が怖かった。
彼女の気持ちがとても不安定。
助けを求めてる。
そんなボニー。

席が近くて全体を見ることが難しくて、そのせいもあるのかもしれないけれど、
なかなか物語りに入っていくことができなかった。

語られている台詞も、歌われる曲も、ところどころ記憶に残っている、
あの『凍てついた明日』なんだけれど、台詞が心に入ってこない。
どこかでずっと初演の『凍てついた明日』を求めていたんだと思う。

それぞれ違って当然。
むしろ違うべきなんだけれど、
みなこちゃんが演じたボニーに対する違和感が一番強くて、
そこがキッカケで、ずっと感情移入できずにいたような気がする。

愛原実花が悪いわけではない。
かといって、私もそんなに悪くはないと思う。
好みの問題かなぁ。
ただやっぱりみなこちゃんは演技がきちんとできる子だってのは、よーくわかった。
ボニーじゃなかったら、きっとすっごく好きな娘役さんだと思う。

遠目からもう一回、愛原実花のボニー見たかったなぁー。

そして、はい、
2番手はオヅキで間違いないですね!!

初演はとうこさん演じたジェレミーのが比重が大きかったよね。
そこを役者に合わせて、きちんと軌道修正。

オヅキのテッド・ヒントンが凰稀かなめのクライド・バロウと向き合います。
テルキタ好きにはたまらない展開。
冒頭のダンスなんて、あれだけで通える、私。
だって、クライドが不敵なウィンクをテッドに向けてしたりするんですよ?
あざ笑うかのように、捕まえてみろよ、とでも言うかのように・・・
その視線を受け止めて、オヅキ動揺。
いや、オヅキじゃない、テッド動揺。
動揺するテッドを見て、私も動揺。

常にあずりんを従える、スーツ姿の緒月遠麻が格好良すぎます。

存在感あるよね、緒月。
群集のどこにいてもすぐにわかる。
例外なく今回もオールバック、かっちり決めてきました。
スーツにオールバック。無敵

緒月遠麻のテッド・ヒントンは優しすぎるな、と思った。
役としては、もうちょっと冷たくても良いのに、演技の温度が暖かい。
困った短所だな、オヅキ。
でも私はそんなとこがまた好きなので、もう別にどうでも良くなってくるんだけど。
滲み出てくるあったかさが愛おしいから。

あ、がなると台詞が聴こえにくくなるので、上手く抑えて欲しいとは思う。

冷静に、内側に思いを秘めて、クライドと向き合うのかと思いきや、
結構その思いを外に発散させるような場面もあって。
そういう場面で若干、何言ってるんだか?と、なるのでね。

歌は頑張ってたー。
安心して聞いていられる。
凄く上手いわけではないけれど、声は男役だし、味がある歌声じゃない?
私は好きですよ、ファンですから。

あとダンスシーンね。
緒月遠麻から目が離せません
表情と共に、動き、めちゃくちゃ格好良いんですが。
ジャケットが揺れた時、シャツを腕で止めるサスペンダーがチラっと見えたりするのが、
たまらなく格好良い。
ルートスクエアギャング!!
もっと踊らせてくれーオヅキを。
WSだから仕方ないけど、フィナーレがないのが残念だ。
テルキタで踊って欲しかった~。

緒月の演技からは色んな感情が読み取れる。
ただ一点を見つめているだけでも、
その時誰を思っているのか、どう思っているのか、
それがちゃんと伝わってくる。
そんな緒月遠麻が好きだから、私もちゃんとその思いを受け止めて、
できれば共有できる観客でありたいと思う。

テッドは、ジェレミーの未来の姿なのかもしれない。
そういう演出してるよな?と思わせるシーン、また歌詞があった。
冒頭で、良く覚えてはいないけれど、
「仲間を置き去りにした・・・それから自分は・・・」
みたいなそんな内容の台詞、いや歌詞か、があって、
それと共に、ジェレミーが叫んでいたような気がする。
いやいや、緒月の歌から始まったから驚いたよね。

ジェレミーは心から慕っていたクライドを結果的に裏切ってしまう。
でもその裏切りと引き換えに、
彼はビリーと共に真っ当と言われる生活を送ることになるんだと思う。
仲間を裏切ってしまったという罪悪感に苛まれながら、それでもずっと生きていく。
ビリーと生きる幸せを感じる時もあるはず。
でもその時一緒にクライドとボニーを思い出す。

ラストの方でも、テッドとジェレミーが見つめ合う場面があった。
やっぱりそういう事なんじゃないだろうか。

クライドやボニーもたくさん傷ついてきたけれど、
その一方で、一緒に傷つくことができなかったテッドやジェレミーも傷ついてるんだ。
ちょっとこの物語、みんな傷だらけじゃないかー・・・
あーもう、なんて痛い話。
違う道を歩くことになってしまった、かつての仲間を想うから、痛いんだね。

またテッドとクライドの姉、ネルの間には、ちょっとした想いがあったよね?
テッドは、あれネルのこと大切に思ってるんだね。
で、ネルの方も少なからずテッドの気持ちには気がついてはいる。
だけど、テッドは弟を追い詰める側の人間。
テッド自身もそのことを理解している。
自分の存在がネルすら追い詰めているのもわかってる。
せめて自分ができることを・・・ってことで、
見張りをつけなかったり、銃を渡したりしてるのが、また、君。
切ないな!緒月。

ハマコが演じている記者の役。
ここが、荻田浩一の視点の置き所かな?なんて途中から思った。
もう一度、ボニー&クライドの物語の真相に迫る。邂逅。
自分からは二人の物語に働きかけない。
ただただ二人がどんな道を歩いてきたかを追いかけ、記録する。
ずっと彼はメモを取り続けていたけれど、
結末を見届けて、彼はそのメモ帳を捨てていた。
やり切れない表情で。

記者の彼も、二人の結末にある意味、共感したんだろうか。
だからこそ取材してきたモノを投げ捨てる。記事にはしない。自分の中にだけ留めた。
凄く印象的だった。

印象に残ったといえば、香綾しずる!
いいよ!がおり!
台詞のない役、ボニーが思い続けるロイ役。
ロイに危うい色気がなければ、この作品ボロッボロになりかねません。
そこを香綾しずるという子はっ!
「あ、背伸びしてるのかも。」と思うような時もある。
でも、その背伸びに技術と色気が追い付いて来ているのも同時に感じる。
強盗に入る時の動きも良いし、ボニーに触れる時の色っぽさもなかなか。
目線って大事。
格好良いです。香綾しずる。
ちゃんとロイがそこにいる。

ちょっと戻ってハマコは、さすがハマコ
WSということで、技術、経験的に浅さを感じることもある舞台だったけれど、
ひとたびハマコが声を出せば、芝居のレベルがそこだけグーンと上がる。
そりゃもう面白いほどに。笑えるよ。
2幕冒頭かな?いきなりハマコが歌いだすと、空気が変わる。
ってか、ハマコに向って周りの空気が集まるw
すげーよ、すげーよハマコ。大好きだよ。

記者の時は、その目と、その心で物語を追っている。
そこからバックになる時、フランクになる時で、きちんと雰囲気を変えてくる。
技術、経験、才能・・・さすがなのだ、未来優希。
特にフランクの台詞回しは最高。
ハマコが今回のWSにいなかったら・・・と思うと怖ろしいな。
締りがなくなるよ。

でも一つ。
バックはクライドの兄ってことなんだけど、嘘だ。絶対に嘘だ!
実はテッドの兄だよね?
ハマコとオヅキは似てる。
存在感、歌声、演技の質・・・オヅキはハマコに似ている。

物語に入り込めなかった、って最初の方に書いたけれど、
ジェレミーの影響も少なからずあるかもなぁ。
凛城きら君が特別下手って訳じゃないし、普通だとは思うんだけど、
好きなタイプってのがあるじゃないですか。
そして、更に比べる対象になってしまうのが安蘭けいじゃないですか。
役の比重は下がっているにしろ、弱いなぁ、と感じてしまう。
たぶん、あの衣装を着ていないと、すぐに認識できないかも、私は。

あ、そうそうコマのレイモンドもだよね。
コマはコマだったよーw
予想以上でも以下でもない。
熱い、うざったい、写真好きの男。
ケロさんはもっとチュッチュしてなかったけかねw?
レイモンドやる緒月遠麻も見たかったよ。

レイモンドがギャングとして活動する理由は、クライド達とは全く違う。
むしろレイモンドの理由の方が、ギャングとしては正解というか、純粋。
「お金が欲しい」その理由で行動を共にするレイモンドがいるから、
ボニーとクライドの虚しさが際立つんだと思うのね。
でも、今回その差をあまり感じられなかったんだよなぁ。

ボニー・クライド⇔レイモンド

の関係だけじゃなく、全体的にそうなんだけど、
個人個人の演技はそれぞれ成立していても、
全体で見たときにそれが、私の中ではかみ合わなくて・・・
だから話に入り込めなかったのかもしれない。

クライド⇔ボニー

だったりだとか、

クライド⇔テッド

だったりとかね。

席に問題ありかな?
次は全体を見渡せる席に座れると思うので、また見え方が変わってくると思う。
次はもうBバージョンなんだけどね。
大月さゆ、ガンバレ!!

あ、パンフレットのオギーの文章が、好きです。
しっかりとした文で、しっかりと作品と生徒に愛情を持っているのがわかった。
なんだか嬉しい文章でした。

Aバージョンの千秋楽と言うことで、
その辺の覚えてる限りテキトーレポも書いとこうかな。
まずはハマコのよどみない、朗らか挨拶。
特別なことは言っていなかったけれど、ハマコらしい笑顔で、
「Bバージョン、役替わりもありますし、また頑張ります。」
みたいな。
「Bバージョンでは愛原実花からバトンタッチで、大月さゆがボニーを演じます。」
ってなことを言った時、テル中心に右隣みなこ、左隣さゆで、
3人お互いに目配せしてたのも、微笑ましい。

テルも特別なこと言ってはいなかったけど、
「本日は雪組ワークショップ、
凍てついた明日のAバージョンしぇん・・・しぇ・・(笑)せん・しゅう・らく!にお越しいただき・・・」
噛んだのが可愛かった。
噛んだ瞬間、右上に目を泳がせる凰稀かなめ。
あーあんな綺麗な人が、おたおたしてる。楽しいなぁw

カーテンコール中、オヅキとハマコはお隣同士。
オヅキ、役の中ではあんなに男だったので、
ニコニコして拍手する様子は若干女性。(若干だ)
いや、もう、オヅキ綺麗だと思うんだよね。もう綺麗に見えるんだよね!
スタイルかなり良いしさ!
凰稀かなめのあの「美」オーラに、色の違う同等のオーラで立ち向かえる人なんだから。

みなこちゃんは、泣き出しそうなのをグッと我慢した表情だった。
やり切った人の笑顔。可愛かったねー。
ハマコの中では予定通りだったのか、どうなのかわからないけれど、
「Aバージョンでボニーを演じた愛原実花から一言を・・・」
と振られると、みなこちゃんはもの凄い恥ずかしそうにもじもじした後、
「かなめさんと演技できて嬉しかったです・・・(照)」
声ちっちゃいの。(笑)

周りの子達が、耳に手をあてたりして「聞こえないよ~w?」のジェスチャーをしてた。

アニスも重要な役だけど、とりあえず更に荷が重かっただろうボニー役。
いや、ボニーってとんでもなく難しい役だってのを今回実感したよね。
グンちゃんが違和感なく演じていたから、良くわからなかったけど、
宝塚の娘役が演じるような役じゃないじゃん、これ!
精一杯の力を持って、ボニーを演じたみなこちゃん、お疲れ様でした。
アニス役でもまた違った魅力を見せてださいませ。
Comment
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泣かされました
この感想をUpして下さる日を待ってて良かったです。
初演の舞台もビデオも観ていませんし
今回観劇へも行けませんが、凄く凄く感想が嬉しいです。
組子への愛がこもっていて、キタロー君への愛が溢れているのに
意外と冷静な文面で驚きましたが
何だか暖かい気持ちにさせられました。

今から告白に行ってくるという知人を送り出して
良い事も悪い事も…色々な妄想を膨らませつつ
ドキドキでしながら待ってる人=片桐でした。
意味不明でスミマセン。
落ち着いたら、又読ませて頂きます♪
お疲れ様でした。
★文月ちゃん★
私が好きな話だから、きっと好きでしょ。笑
クオリティ高い宝塚作品。オギーは凄い。

オヅキはなぁ~本当にいいよ。
久世さんよりも人間くさーい演技するかも。
背も高いし、オールバック似合うし、何より私の好きな人だから好きでしょ。笑
あ、踊りは絶対に久世さんより上手い。笑
上手いのとはまた違うかもしれないけど、華がある。

★片桐さん★
告白・・・ですか!
そんなコメントいただいちゃって、私までちょっとドキドキですよ。
成功するにこしたことはないけれど、
告白することで想いがすっきりすると良いですね、知人さん。

ボニクラ感想、喜んでいただけて良かった!
オヅキファンになってからというもの、雪組子がより一層愛おしくなりました。
トップが水先輩で良かったなぁーと心から思うし、
同期に凰稀がいて幸せです。もちろん他の組子達も!

冷静だったのは期待していたほど、作品に入り込めなかったせいもあります。
初演ビデオの方が、作品自体の魅力を強く感じたんですよね。
出演者に余裕があり、芝居全体にメリハリがあったように思います。
今回はWSですもんね、ほとんどみんな常に全力疾走なんですよ~。笑
ま、そんなとこも楽しみではありますが。

あと数回見ます!
Bバージョンは変化も追えるかな?
楽しく感想書いてこうと思ってますので、
またよろしくお願いしまーす!

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