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5/16 朝に死す

2008年05月16日
2008年5月16日『朝に死す』@シアタートラム

[作]清水邦夫
[演出]扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
[出演]久世星佳/鈴木浩介/福士惠二


久世ファン的にも、作品的にも当たりです。

作品の感想の前に、ちょっと良いかな。
姐さんファンとして、そしてかつての月組ファンとして、
姐さんの隔週記読むと、あの下級生の事しか浮かんでこないんだ。

おっちょん~!!
赤ちゃん誕生、おめでとう!!!!


今日久世さんがなんだか、ほっこりして、幸せそうだったのは、
成瀬ベビーの力だったのかなぁ。なんて思う。
凄く良い感じに演技してましたよ、姐さんは。楽しそうだった。
(ベビー誕生は成瀬以外に思い浮かばないんですが、成瀬じゃなかったらごめんなさいです。)

シアタートラムで上演中の『日本語を読む~リーディング形式による上演~』。
久世姐が出演するのはうち3作品。
今日は出演2作品目の『朝に死す』。
私さ、やっぱり、

清水邦夫の戯曲が好きですよ。

熱いんだけど、繊細で、脆い。
熱気と弱さが入り混じっているような所が凄く好き。
今月、清水邦夫月間にしちゃおうかな。
久世さん出ないけど、
リーディングのラスト、『ぼくらが非情の大河をくだる時』も聞きたくなってきた。
あともちろん『わが魂は輝く水なり』も見て。

演出の扇田さんもそんなような事を言っていたけど、
清水邦夫と同世代の人たちは、私たちの世代にはない共通感覚を持った世代なんだろう。
野田さんより上の世代、『タンゴ・冬の終わりに』の幻の観客たちが持っていた、
あの熱気と不安が清水さんたちの世代の共通感覚なんだと思う。

単純に「憧れる」とは言えないけれど、なぜか惹かれる。
ちょっと懐かしい?

切ないし、不安なんだけど、その振り幅で気持ちがグンと高揚するっていうか。
なんかそうなんだよ、清水さんの戯曲って。
時代がぎゅって詰まってる感じがするんだ。
時代の匂いとかがぎゅって。

ラスト、『朝に死す』ってタイトルだし、
清水邦夫だし、当然二人は死ぬんだろうなと思って見ていたから、
拳銃の音にも驚きもしなかったし、くるべき時がきた。ぐらいの気持ちで見ていたんだけど、
でも待ち受けていた、逃れられない「死」を感じて、
その反対側にあった「若さ」みたいなものも感じて、
それこそ時代の匂いを感じて、胸が締め付けられた。

あの匂いはね、『タンゴ・冬の終わりに』の匂いと同じ。

途中使われた「握手」って言葉とかでも、
ふとタンゴ~を思い出して、なんとも言えない気持ちになった。
タンゴよりも、使われる言葉は粗っぽかったけど、
でも同じ人が書いた戯曲だなってのは、わかる気がする。
伝わってくる核、魂が同じ。

あ~もう本当に清水戯曲が好きだー・・・

消えちゃう前の輝きとか、手には掴めない輝きとか、
すっごくすっごく綺麗なのに、捉えられないんですよ。
死んじゃったり、逃げて行っちゃったりするの。
そこがいいんだけど。

ここでやっぱり『タンゴ・冬の終わりに』を思い出すんだな、私は。
大好きな舞台はいっぱいあるけれど、
私の中で一番って言ったら『タンゴ・冬の終わりに』なのかもしれない。

良い戯曲に、小気味良い演出、その中にいる久世星佳。
ファンとしてはたまらないです。
主にやり取りするのが、鈴木さんだったのも大きいんだろうな。
久世さんもやり易そうだったし、同じように鈴木さんもやり易そうだった。

三つ置かれた重厚な机と椅子。
鈴木さんが下手。姐さんは上手。
ト書きを読む福士さんが中央の椅子に座る。

クールそうに見えるだけで、実はすっごいわかり易い人だと思う、久世さんって。
感情が表に出る出る。
今日も座る前の表情を見ただけで、「あ、役に入ってる~。」ってのがわかった。
手も震えてなさそうだったしねw

座ったとたんに、鈴木さんに向けて睨みを効かす姐さん。
・・・だから私はこういう目をするから、久世星佳のファンなんだってば。
睨むにも色々あるけれど、あの睨みは自分を守る為の睨み。
弱さを隠すため、威嚇しているようだった。
目つきが鋭く見えるほど、その一方にある弱さが際立つ。
私はホント、久世さんのファンになって良かった。何も間違ってない。

前回は割りと中性的な部分が強いリーディングだったから、
今日は、
「女で出てきて欲しいなぁ~。髪とか下ろしててくれるとすっごい嬉しいんだけどな~」
と見る前に淡い期待を寄せていたんだけど、ビンゴ。
下ろした髪に花柄のワンピース。キタ。
見た目は女性だけど、性格的にはちょっと乱暴?な役。
ますますビンゴ。
しかも歌まで歌う。
この人の伸ばした声が消え入る寸前が、たまらなく好き、私w

長く続くコンクリートの壁。
その壁の前に二人の男女。
男は女をおぶっている。
女は左足に銃で受けた傷をおっている。
男を狙った銃弾が女に当たったらしい。
そのおかげで男の命は助かったので、
見ず知らずの女ではあるが、見捨てる訳にもいかない。
男は追われ、女は恋人に振られ、互いに行くあてもない。
遠くから聞こえてくるのは野良犬の鳴き声。
二人の前にあるのは、ひんやりとしたコンクリートの壁。
ただそれだけ。

ほら、これだけでなんかいいもんね。
絶対に二人は壁から逃れることができないんですよ。

リーディングと言う形式ではあるものの、前回と比べると、
役者同士がコミュニケーションをとっている率が凄く高かった。
これは目をつぶって聞いたら面白くなくなるリーディングかもしれない。
久世さんと鈴木さん、二人とも表情豊かに、お互いを見ながら芝居してたから。
上手いからさ、二人とも。
上手いから、聞いていても面白いんだろうね。
ちなみに、演出の扇田さんは二人に、こうしたいという道筋を伝えただけで、
細かい演技は久世・鈴木、両人がお互いを感じつつ造っていったものだという。
稽古期間は2日。
やっぱり強いんじゃないかな~、シスの役者さんは。

キッとしたり、時に柔らかくなったりする久世さんの表情を見てるだけでも、
ファンとしては楽しかった。

ト書きを読む人(=イメージとして清水邦夫)を置くことが、演出の見せ場だった。
これがまた面白かったんだ。
「クスクスと笑う」
「沈黙」
とか色々細かい指示がト書きに書かれていたらしいんだけど、
最初はその指示に従っていた役者二人が、テンション上がっちゃって暴走しだして、
そのト書きを無視し始める。うざったいからって、ト書きまで二人が読み始めちゃう。
イライラするト書きを読む人。

そしてまたテンションが上がっていく様子が、
若い二人の男女が、壁から逃れられる希望を語る姿に重なっていく。
「バスに乗りましょう!!」「人がたくさん居るところに!!」
「そこで歓迎を受けるんだ!!」「行こう!!」「どこまでも走れば良い!!」
ト書きは完璧無視。二人でどこまでも行ける。
二人の顔が希望で満ち溢れた時に、その瞬間は訪れる。

ト書きを読む人が銃を握り、二人に向けて引き金をひいた。

あっけなく二人の希望は消えた。

ト書きを読む人が、男を追っていた謎の人物でもあり、
また指示に従わない役者に怒りを示す劇作家(演出家?)本人でもあった。
ト書きを無視されてそこに怒る様子は、コミカルでもあったのに、
その延長で突然訪れた死。
希望が一番熱く語られていた時に、真逆の出来事が起きる、そのギャップ。
このギャップは、演劇として、とても心地良い。
芝居を見る醍醐味みたいな感覚だったと思う。

こういう瞬間が訪れる舞台に、久世星佳が出ていると、私は本当に嬉しい。
久世さん好きになって良かった、って改めて思う。
久世さん見るたびに、あの声が好き、あの角度のあの表情が好き、あの目が好き、
色んな好きが蘇ってくる、そんな感覚も含めて、ファン。
これだから、ファンやめられないんだよなぁ。
男だった時代もw、そして女に戻った今も、性別越えて好きでいられる人って、
今の時点ではこの人だけだから、そういう意味でちょっとだけ特別な人かもしれない。

カーテンコールでは、すっごく良い笑顔でした、姐さん。
楽しかったんだろうな。
また日曜日にあの笑顔を見に行こう。楽しみだ。

あ、客席に扇田昭彦さんがいたんですけど、
演出の扇田拓也さんとは関係あるんですかねー。
Comment
うわー!なつさんの感想読んでいたら、見に行くのがより楽しみになりました。
ありがとうございます。(笑)

なつさんがよく清水邦夫の日本語は綺麗って言っていたのと、
題名の『朝に死す』が私好みな感じで、期待してるんですけど
ストーリ的にも、久世さん的にも期待通り、
いや、期待以上?みたいで嬉しいです。
日曜日が待ちきれないです。 
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★文月ちゃん★
楽しかったでしょ?(笑)
私も今回はバタバタしちゃってごめんねー。
またいつかお会いできる時はあると思うんで、その際は是非♪
久世星佳のおかげで、出会いが広がる、広がるw

清水邦夫が気に入ったら、渋谷のコクーンに行ってみるのもいいかも。
今、蜷川演出で清水戯曲を上演中。
そしてきっと文月ちゃんのツボにもハマるだろう、
秋山菜津子さんって女優さんが出てるんで。
私もまだまだだけど、世の中にはいっぱい楽しい舞台が転がってるよ!
都内近郊に住んでるなら行かない手はない。

★baronさん★
次回は是非、お会いしましょうね!
色々語りたいですw

16日はやけに幸せそうだなぁ、って思ったんですよね。
で、家に帰って日記を読んで、『もしかしてこのせいだったのか?』ってw
あの日記「仲良くさせてもらってる」、「もらってる」って言うのが、
久世さんらしいなぁ~と思ったり。
「仲良くしてる」んじゃないんですよね。
どちらかと言うと、下級生にかまってもらってる、というかw
そして、UPされた写真の手に、当然のように魅入りました。(笑)

清水戯曲は、堤真一さんが蜷川演出で2本やっていて、
それで見ただけなんですが、2本とも好みの戯曲だったので、
これは間違いないだろう!とリーディングが決まった際も、確信してました。
だけど、期待より上のものが返って来た感じです。

で、扇田さんは扇田さんの息子さんだったんですねw、やはり。
baronさんは扇田昭彦さん、それとも拓也さん、どちらのファン?(笑)

リーディング自体が、結構急なお仕事ってイメージだったんですが、
思わぬ収穫でしたよね~これは。
楽しかったです。
って、まだ終ってなかった。『城塞』も楽しみです。

★かおりさん★
そりゃ見つかりませんよ。
なんせヒントが、髪型が樋口加奈子な20代女性。ぐらいしかないですから。
(見つかったら逆に怖いよー。笑)

無理してでも行って正解!でしたよね?
役者さんの良さ、戯曲の良さ、両方が相乗効果で高めあっている、
良い~充実感のある舞台でしたもん。
ここ最近の久世星佳では、一番の役です!私的に!

>いろいろな形で傷ついている久世氏(の演技)に、ついひきこまれてしまうのです。

凄く良くわかります、これ。
強がってるだけで、内面はすっごく傷ついてましたよね。
強さと脆さを感じさせてくれる所も好きなのかもしれません。

久世さん、どこで『タンゴ・冬の終わりに』に触れてたかな?と思って、
調べてみたんですが、のんフィクションで蜷川さんと対談した際に、
タンゴ~のこと話してましたね。
映像で見ただけだけど、衝撃的だった・・・って。
同じ戯曲で衝撃を受けているっていうのが、ちょっとファンとしては喜びだったりw

「握手を」。
タンゴ~でも握手って使われてたんですよね。
握手したらその人の意識を感じられる、その人自身を感じられる。
清水さんの戯曲の中の「握手」って、そういう手段としての「握手」なのかな、って 思います。

水におめでとう言えましたか!
でも、昨日っていうと日付的に梅田ですよね
かおりさん、実はそっちの方面の方・・・?
ミロワールは楽しんでもらえたんじゃないかなと。
えーベルばらは知ったこっちゃありません。(笑)

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