FC2ブログ

5/2 物語が、始まる

2008年05月03日
良い芝居でしたよん

2008年5月2日『物語が、始まる』@赤坂RED THEATER

原作:川上弘美
脚本:千葉雅子
演出:木野花
出演:高田聖子、加藤啓、辻修


ふふふ、良いお芝居でしたよ。
夜の小雨がとても似合うお芝居でした。

高田聖子さんは本当に良い女優さんだなぁ。
座席にあったパンフレット代わりのプリントを読んで、彼女の芝居を見て思う。
聖子さんは色んなことをきちんと感じて役を生きている人だ。
「だれかが、役者は感じる仕事だと言っていました。」
そう、高田聖子はいつも仕事をしている。

聖子さんの素晴らしい所は、その感じるアンテナの範囲がとても広いこと。
今回の役は、等身大の女性というか、
「こんな女の人きっと世の中にいるよね。」と思えるような役。
だけど、新感線とかになっちゃ~ねぇ・・・ある意味「キャラ」と化すから。

等身大の女性でも、「キャラ」と化す新感線芝居でも、
きちんとその役を、その人生を、高田聖子は感じている。
だからこそ、素晴らしい。スキ。

だって見ていてわかるんだ。
心が揺れた瞬間が。

雛形を拾ったユキコ。
ユキコには恋人がいた。
雛形はどんどん知識を吸収して、やがてユキコに恋をする。
真っ直ぐな雛形に段々と惹かれて行くユキコ。
揺れる3人の関係。

雛形ってのは、雛形であって人間ではない。
人間でないことを知っていて、それでも雛形と一緒になることを決めるユキコ。
その二人の関係に、嫉妬するユキコの恋人ホンジョウ。

3人しかいない出演者。
3人しかいないからこそ、その3人の関係を密に細かく描くことができる。
見るほうは、ただただその関係の複雑さを楽しく見ているだけだけど、
これきっと、演じるのすっごーーく難しいはずだ。
静かに、静か~に、挑戦してる芝居。
空気の作り方がとても丁寧だった。
演技だけでなく、演出も。

クリスマスの日の、ユキコと雛形会話。
「博多に行って~・・・」うんぬんという、笑える会話だったのだけれど、
いきなりここで私は泣きそうになった。
男と女として結ばれることができないユキコと雛形。
心から愛し合っているのに、結ばれない。
でも一緒に居たい。先は見えないけれど一緒に居たい。
そんな二人が立てる、未来の計画。

くだらなければ、くだらないほど、
たわいもなければ、たわいもないほど、
なんだか切ないように感じた。

結末がまた切ない。
コーヒー豆を挽く音すら切ない。

相手が人間ではないからなのか、これがまた不思議な切なさなんだ。

切なさと共に常に感じたのが、空気の艶っぽさ。
高田の姉さん、声が色っぽいですね。
声だけでなく、時に仕草も色っぽくて、ドキっとしますよ。

私が良く見る高田聖子ってのは、新感線の高田聖子だから、
舞台化粧も濃いしで、どこか年齢不祥なところがあるんですよ。
でも今回の聖子さんは、役と実年齢が合っている感じ。
年を重ねているのが見えるのが、またいいんだ。

雛形を演じた、辻修さん。
本当に最初は人形みたい。
私、この人を舞台で見たのはきっと初めてだと思うんだけど、
ずーーっと顔だけは知っていて。
だいぶ前にチラシで見て、忘れられなかったんですよ、あまりに個性的過ぎて。
今回の演技は、その個性的なイメージを良い意味で繋いでくれたなぁ。
きっちり役の中で年を取ってくれて、特に少年時代は無邪気で可愛らしさも感じた。

加藤さんも、また良かった。
ちょっとオタクというか、変わった人で、その変わった部分があるから、
ユキコとの間に微妙に距離があるんですよ、恋人なのに。
その変わった部分も空気感として伝わってきたし、
ユキコと別れた後は、一回り成長したような雰囲気を感じさせてくれたのも嬉しかった。
人間ではない者に、嫉妬するっていう、微妙な感情もきちんと表現してくれました。

不思議で、繊細で、切ないお芝居。
赤坂RED THEATERっていう劇場の雰囲気にも合う。
4日までだけど、チケットはまだ余ってそうかな?
女優・高田聖子が見れますので、是非。
しっとりした、ちょっと変わってるけど良い感じなゴールデンウィークになりますよ、きっと。
Comment

管理者のみに表示