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2/14 二人の約束

2008年02月15日
二人の約束

2008年2月14日『二人の約束~The Two Men's Promise~』@PARCO劇場

作・演出:福島三郎
出演:中井貴一 段田安則 りょう


劇場に行ってホッとする自分。
に酔いたいんだとしても、
それでもやっぱり、ホッとしたなぁ、今日は。
お客さんとして、客席に座って、芝居を楽しむことが出来る。
そのことに、ホッとする。

そしてまた更に私をホッと一息安心させてくれたのが、段田さんの存在。
私は彼の演技に全幅の信頼をおいている。
段田さんが出てきて、段田さんの顔を見た瞬間に、
「うん、段田さんがいれば安心。」
と、スッとお芝居に入ることができた。
私が一番、安心してお芝居を見られる人かもしれないなぁ。

ちょっと方向が違いはするけれど、段田さんに対する安心感と、
同じレベルの安心感を持って見れるのって、古田新太ぐらいじゃないか?私の中で。
段田さん系統だと、あとは浅野和之さんとか?
(堤さんとかは、ファンモードも入ってしまうから、また違う。)

お芝居の内容は、まぁ、そこそこ、と言った感じ。
笑いのツボは私とはあまり合わなかった。
クスリとは笑えるけれど、大爆笑までは程遠いなぁ。

段田さんと中井さんが、大人な距離感でりょうを取り合う・・・
りょうはタイプの違う二人の男の間で揺れる。
みたいな、精神的に落ち着いたラブコメディーを期待していたんだけど、
あまりラブの方向には話が進まず。
んー進んでいたのかもしれないけれど、魅力的には見えなかったかな。

(役名がわからないので、役者さんの名前で・・・)
中井貴一が営むオリエンタルな雰囲気の古美術屋。
中井さんの幼馴染のりょう。
古美術屋の前で倒れて、記憶喪失になってしまった段田安則。
2時間を通してこの3人の微妙な関係が描かれるわけだけれど、
展開にちょっと無理がある。っていうか気持ちが悪かった。

中井さんは、店の前に倒れていたということと、
外国の友人から聞いた、
「記憶喪失の人に出会ったら優しくしなさい。優しくすれば必ず良い事がある。」
というような言い伝えを信じていること。
この2つの理由だけで、記憶喪失で素性もわからない段田さんを何日も家に引き止める。
中井さんにとって、記憶喪失になった人というのは、
一度出会ってみたかった、とってもレアな存在の人で、
出会いが嬉しくて、かなりテンションがあがっている。
だから食事ももちろん出すし、家では若干殿様扱い。

理屈として、嬉しいのはわかるけど、でもさ~
40過ぎの男が、それだけの理由で、同じく40過ぎの男と同棲する??
しかも赤の他人だよ??理由として弱すぎると思う。

あーもう、あえて言わせてもらうわ。
普通に考えて、中井貴一の役がホモっぽいと思うだろ。
「そうじゃなくって、純粋な善意だから。」と何度も何度も見ながら自分に言い聞かせたし、
実際、劇中でも純粋な善意として描かれていたけれど、優しすぎて、気持ちが悪い。

私は、正直嫌だよ。
自分と同年代の女性だとしても、
全く見知らぬ、しかも素性のわからない記憶喪失の人と、生活を共にするなんて。
私が記憶喪失の立場でも、好意に感謝はしても、
迷惑かけるからその人の家を離れるわ。

まだALWAYS三丁目の夕日の世界なら受け入れるよ。
でもなんか今に近いような世界だしなぁ。
下心があるんじゃないか、っていう疑念が頭を離れないのが嫌だった。
そう思ってたの私だけじゃないはず。絶対みんなそうだ。

中井さんの役は、面白く描かれてはいたと思うけれど、
小学生の時のプロポーズを30年経っても忘れられないでいる。(独身)
っていうのが、またロマンティストすぎて気持ちが悪いというか・・・
まだ高校生ぐらいだったら、良いんだけどさ、
小学生の時のプロポーズって・・・・そこに淡い懐かしい思い出を見ているならわかる。
それだったら、ちょっと切なくキラキラ輝く感じで、綺麗だ。

でもなんか、彼、あわよくばその彼女と結婚。
とか本気で夢見てそうなんだもん。

おいおい、そりゃねーよ。

って言いたくなるよ。なったもん。

30年前プロポーズして両想いだった彼女とタイムカプセルを埋めた。
タイムカプセルを掘り起こす約束の日が、近づく。
そこに現れた記憶喪失の謎の男。
彼女は約束を覚えているのか?男は何をしに家を訪れたのか?

段田さんが記憶を徐々に思い出していく中盤までは、割とテンポ良く話が進んでいたけれど、
記憶を完全に取り戻してから、話全体が緩くなったような印象。
後半が一番盛り上がらなくちゃいけないのに、なんとなくダレていたかな。

ダレた原因は、全ての理由の弱さだったと思う。
記憶喪失の男を何日も家においていた事。
小学生の時のプロポーズをマジで夢見ていること。
どれもこれも理由として、迫ってくる部分がない。リアルさがないというか、なんというか。
物語の展開上そうすることが必要だったから、無理矢理こじつけたような感じ。
その無理矢理が最後に作品全体に影響を与える。

ただ、タイムカプセルに込められた子供頃の想いっていうのは、
本当にそれだけでキラキラしてるんだなぁ、と、そこにはジーンとさせられた。
古ぼけた空き缶の中の、ガラクタ。手紙。
どんなに汚くっても、それは、純粋な気持ちの結晶なんだ。
その結晶に大人になってから、触れる。
触れたとき、ちょっとだけその頃のキラキラを取り戻す。

キラキラを取り戻して、笑っている二人の男の姿を見れて良かったと思う。
ホッとした。
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