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10/12 オセロー

2007年10月13日
osero-

2007年10月12日『オセロー』@彩の国さいたま芸術劇場

作:W.シェイクスピア
演出:蜷川幸雄
出演:吉田鋼太郎/蒼井優/高橋洋/馬渕英俚可/山口馬木也/壤晴彦/鈴木豊/他

何がそんなに憎くて、何がそんなに哀しいんだろう。
そして、何がそんなに怖いんだろう。
持ってる闇が深くて、暗くて、遠いよ・・・洋さん。
生まれながらにして闇を背負うことを運命付けられちゃってる人?
外に働きかけることを選ばなかったら、どんどん内に内にこもっていってしまいそうな人だ。
演劇っていう表現手段に出会えて良かったんだろうなー
出会ってなかったら、たぶん、この人危ない。
演劇を通じて、尊敬できる人や、信頼できる仲間に出会ったからこそ、
カーテンコールの時に笑顔を見せてくれた洋さんがいたんだと思う。
笑顔が見れて安心した。

こう思っちゃったのはなんでだろう?母性?
「誰かこの人を救ってあげて欲しい。」
そんな風に思えて仕方がなかった。
帰りの電車の中で、私の中にあった感情はこれだけだったよ。

漠然と世の中に対して、大きな怒りを持っていそうな人。
たぶんそれは、頭と目が良過ぎるから。
わからなくていいことまで、わかって、見えなくていいものまで、見える。
そして、人知れず、怒る。悩む。
これ、イアゴーのことじゃなくて、私が感じた高橋洋像。

この洋さん自身が持っている怒りっていうのが、イアゴーの中にもあった。
その行き場のない怒りの矛先を、オセローに向けていた。
怒りを爆発させて叫んだ時の洋さんと、
終幕で呆然と遠くを見つめていた洋さんの姿が目に焼きついている。
どちらの姿からも深い闇が感じられて、哀しくて、涙が出た。

もう、鋼太郎さんの演技は特に二幕からはコメディにしか見えなかったんで、
どうでもいいっちゃ、どうでもいいです。
あそこまでの熱量を受け止める器は私にはない。
無理っす。

シェイクスピアの芝居って、何が面白いんだか最近わからなくなってきた。
あんな馬鹿げた悲劇を見てさ、教訓にしろとでもいうのだろうか?
教訓にはならず、ただイライラするのは私だけ?

イアゴー騙され、妻デズデモーナが浮気をしていると疑うオセロー。
「嫉妬というのは、そういう極端なものだ」と言ってしまえばそれまでだけど、
それにしたって、オセローが馬鹿すぎる。
オセローが馬鹿すぎる分、デズデモーナがものすっごく可哀想だ。
私は男じゃなく女ですから、デズデモーナの味方になりますよ!気分はエミリア!

確かにイアゴーは狡猾な男だ。頭も良い。
でも浮気の現場を自身が目撃しちゃったならまだしも、
決定的な理由がないのに(あることになってるけど)殺すんですよ?
あんなに可愛い優ちゃんを!

許せねぇ~!!

ハンカチハンカチ・・・って、うるさい!
目の前に居る、デズデモーナの曇りなき眼を信じてあげなよ!
“嫉妬”なんてやっかいな感情・・・わかるけど、わかるけど、でも、
芝居見ていて、こうイライラはしたくないわー私。

舞台全体に流れる感情を追っていたら、
当然オセローの感情も私に伝わってくるわけだけど、
だんだん本気で腹立ってきちゃったんで、途中から、デズデモーナ目線に切り替えました。
デズデモーナと一緒になって悲しもうとして見たら、腹立たしさはいくらかなくなった。

と、ここまで書いてきて今さらだけど、話の展開は面白かったとは思う。
今までみたシェイクスピア作品の中で一番かなぁ?そんな気もする。
イアゴーが次々と嘘をつき、人を陥れていくその様は、悪の魅力に溢れていた。

でも長い
長いよ、長い、4時間は。
んー4時間も見れた。って満足するべきなの?
『エレンディラ』はどこかお祭り的な気分があったから、4時間もまぁ納得だったんだけど、
まぁ正直4時間も集中力を保っていられない。
自分も無理だし、他のお客さんも無理だしで、
完全に劇場全体の集中力が切れてしまう瞬間が何度もある。

デズデモーナがベットに入る前の、エミリアとの会話。
私、ここ好きだったなぁー、一番好きだった。
たぶんこの場面で集中力切れてた人って男の人だと思う。
女が共感できる場面と、男が共感できる場面って違うだろうな。

『ん?この場面、面白いのに、なんでそわそわする?なんで咳き込む?』
と思って、ちょーっと客席に注意を向けてみたら、
そわそわしていたのは大抵男の人だったし、咳き込む声も男性。(だったように思う)
一番面白いと思った場面で、客席に探りいれてる私もどうかと思うけどね。
女が女の本音を語る場面だったからかなぁ。

痙攣しだした辺りから、完璧に鋼太郎さんの演技と、
私の波長は合わなくなってきていたので、
デズデモーナ殺害後、オセローが自害するシーンもあんまり良く見ていない。
正直オセローに対してはイライラしていた。
「何、自分で殺しておいて、さも自分は被害者です。みたいな顔してんだ。」と。

↑のようにイライラしていたので、とにかく終盤は、ずっとイアゴーを見ていた。
彼が見つめる先にあるのが、無と闇だったから、それが気になって仕方がなくて・・・
あーホント、カーテンコールで笑ってくれてて良かったよぉ。

今回見ていて、すっごく良いじゃん!と思ったのが、
もちろんエミリア役の馬渕さん。
夫を愛している妻であり、デズデモーナの理解者であり・・・
オセローに歯向かう場面でも、吉田鋼太郎に引けをとらない。
あんまり意識して馬渕さんを見ることって今までなかったんだけど、
あの気風の良さ、いいなぁー。
野田地図もいけそうな人だ。

デズデモーナを殺害するベットのシーン。
あの辺の美しさは、蜷川さんならではだと思った。
揺れるカーテン。薄暗い中に差し込む光り。
なんだかちょっと夢見てるみたいに、ぼやっとした綺麗な場面だった。

他のセットはまた壁と階段。将門を思い出すセット。
工事現場の階段みたいな、
あの歩くとカンカン音がする鉄っぽい感じが、臨場感を煽ってくれる。
叩けば鈍い音が響いて、それで人の気持ちも伝わってきた。

ラスト、オセローの台詞の時、また外から爆音演出。
『オレステス』!!とか色々!!
でもこの効果音、オレステスの時より意味がわからなかったかも。
現実と関連付けていくことがむつかしぃ。

私はどこか自分が共感できる部分がある人のファンになる。
高橋洋のあの闇には、全く、共感できないので、ファンにはならない。
けど、あの演技ができる洋さんは凄い。
今日はそれを実感した。
Comment
なっちゃん、こんにちは~。
ファンでないなっちゃんにも洋さんとイアゴーが重なってみえたなんて!!!
私はなんだかこの「オセロー」の世界にどっぷり浸かってしまったようですわ。
一日中イアゴーの事ばかり。。。
「タンゴ~」の時もかなり引きずっていましたが、(そんなとき、なっちゃんのブログに出会って、私の気持ちが落ち着いたんだよね。)きっと、たぶん、それ以上かと。。。

しかし、これだけ洋さんの事を書いておきながら、最後にしっかり「ファンにはならない」と断言しているところがなっちゃんらしくて好きだわ~(笑)
★なっつんさん★
洋さんとイアゴー重なって見えました!
一応、ほぼ自分の感想書き終えてから、なっつんさんの感想読んだんですが、
洋さんに対して感じた気持ちが似ていて・・・
『なんだこれ!?全く同じじゃん!!わかるっ。』とビックリ。
「救ってあげたい」うんぬんの部分は、ちょっと影響されて帰ってきましたw

「タンゴ~」の存在はやっぱり私の中ではまだまだ大きいです。
舞妓Haaaan!!!見に行ったとき、カノン聞いて、条件反射で泣いてますからねw
そんな自分が面白かったり・・・

タンゴにしても、オセローにしても、良い舞台に出会えたときって幸せですよね。
ホント、お金とか関係ないな。って思わされます。

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