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10/6 十月大歌舞伎 昼の部

2007年10月07日
2007年10月6日『十月大歌舞伎 昼の部』@新橋演舞場

中村屋の三人『連獅子』が見たいと、ずーっとずーっと思ってた。
それを今日、実際に、この目で、確かに、見ることができた。

毛振りに入る前のあの劇場のピリっとした、心地良い緊張感。
空気が荘厳。
人よりも、もっと上にいる何かに対して舞っているような神聖な空気がそこにある。

涙が出た。

私を泣かせたのは、中村勘太郎だった。
やっぱり、勘太郎なんだ。
私をこうやって泣かせる歌舞伎役者は彼しかいない。
心底惚れてるんだなぁ、勘太郎の芸に。
テレビとか、雑誌のインタビューとか、
そういうところから垣間見れる彼の人柄もあったかくって好きだ。
でももっと好きなのは、その全てを含めたところにある、彼の「芸」なんだと思う。

勘太郎はきっと、父勘三郎を超えると思う。
今日の連獅子を見てそう感じた。

連獅子という作品は、歌舞伎役者の親子の姿に重なるようにつくられたのかな?
これは意図的?

父の厳しさは、父の愛情。
その子供も、それを理解して、父親についていく。
谷に突き落とされる子獅子。
でもそこから這い上がってきて、そこから父と肩を並べて踊る。

『連獅子』という演目を見て、この親子のお互いに対する想いっていうのを感じたんだ。
羨ましい、理想的な親子。
親も子も信頼し合ってるんだろうな。
子供は親を尊敬しているよ。見てればわかる。
勘三郎さんも、二人の息子をすごく大切に思ってるはず。

七之助が風邪らしい?っていう話を今日一緒に見た友達から聞いたけど、
真ん中の勘三郎さんと、上手の勘太郎の毛振りはピッタリ合っていて、七之助はズレてた。
途中から揃いだしたけど。

それでも3人の無心の気合いというか、
とにかく色んな強い想いが毛を振る姿から、どんどん伝わってくる。
クライマックスに近づくにつれて毛振りが激しくなる。
伝わる熱量も増して、余計に胸が熱くなってくる。
最後の数秒、勘太郎の強さが、父勘三郎を完全に超えた。
強さじゃなく、あれは若さなのかもしれない。
でもなんかホントにそれだけじゃないんだって。
だって、勘太郎しか目に入らなかったもん。
迫力とか、勢いとか・・・彼が一番大きく見えた。

そう見えた瞬間に、ツーっと泣けてきた。

勘太郎を見るたびに、
『彼を見続けようと決めたことに間違いはなかった。』
って、実は思っていたんだけど、今日ほど強くそう思ったことはない。
感動したし、そういう人に出会えたことが本当に嬉しかったんだと思う。
中村勘太郎って歌舞伎役者に出会えて、私は本当に幸せなんだ。

さ、ここから文章軽くしよ。

またねーこのあとの、人情噺文七元結の文七みたいな役が、
すっごい可愛くて、上手いし、面白くって、似合うんだわ~。
基本的にお人よしで、真面目で、純粋な人なんだけど、
一本ネジ抜けてる風で、実は冷静かつ冷酷な部分も持ち合わせてる、と。

「あんな汚い格好した親父が、五十両なんて持ってるわけがない。」
「きたなっ、くさっ!」

そんなことを平気で命の恩人に対して、言いますからね、彼。
ひでぇ男ですよ。
それで実際にその汚くてくっさい手ぬぐいの中に五十両が入っているのがわかったら、
それまでひでぇこと言ってたのに、そこからまた純粋に感謝してるんですよ。
目をきょとんとさせて。

んー何かに似てる~・・・
動物だーいぬ、犬だな、犬。
犬は犬でも大型犬だ、カンタは・・・
大型犬でカンタっぽい犬・・・

ゴールデンレトリバー!!!!
間違いない。


勘太郎って、ゴールデンレトリバーに似てます。
ぜってー似てます。
私、犬好き。

こういう役を振られるのは圧倒的に勘太郎が多い。
でもちょっと七之助にもやらせてみたい。
彼は彼で良い個性を持っているんだ。
勘太郎とは全く違う文七が出来上がると思う。
七之助にとっても、文七みたいな役をやるのって、勉強になると思うんだよなー。

『人情噺文七元結』自体は、心から笑えて、本当に面白かった!
勘三郎さんと扇雀さんの夫婦が最高におかしい。
勘三郎さんってのは、上手い人だ、というのを改めて実感。
きっとこの時代の江戸に、粋で、頑固で、心根が優しくて・・・
まさに、あんな人がいたんだろうな。って思えた。
これだけ上手い人だから、作品がダメなときに、自分の力量だけで笑わす方に走るんでしょ。
それが嫌いなんだ、私。
会話のやり取りのテンポの良さだけでも、気持ち良く笑えたので、
全然嫌な気分じゃなかった。

芝のぶちゃんが、これまた可愛かったなー

あと気になったのが、あのちっちゃめな男の子?だ。
芝翫さんのお付の役みたいなのをやっていた子。
もしかしてあれ、野田版の鼠小僧とかに出てた鶴松くん?全く違う?
五十両が入った包みを持ってきて、芝翫さんに渡すだけなんだけど、
なんだか動きがとっても綺麗な気がして、良い意味で目に付いた。
まだちっちゃいのに、吉原の子らしく、後姿がしっとりしてた。

俊寛で始まり、連獅子で締まり、最後に人情噺文七元結でカラっと笑って、
笑顔で劇場を後にする。
ん~満足度の高い公演だったー。
連獅子だけでももう一度見たい。
でもきっと、人情噺文七元結も見たら笑っちゃう。

一言にまとめると、楽しかった!
Comment
私も観た!!
 多分、私もなつさんと同じ日かな??6日の昼公演を観にいきましたよ。
 やっぱり私も中村親子の"連獅子”が観たくって・・・
なつさんが言うとおりあの演目は歌舞伎役者親子の為に作られったっていってもいいような気がします。
 獅子になって親子3人で花道から再度出てくる時、7分くらい出てまたバックしていったじゃないですか?
 ありゃ、やっぱり親子だから厳しい稽古をしてきたからできることじゃないかと思います。
 
 わたし、正直言ってあの場が外国だったらスタンディングオベーションをしていました。スッゴイたって拍手がしたかったです。
 勘太郎さんって凄くまじめな子だって聞くんですけど、業界名門の長男として毎年毎年成長していってますね?
しかも文才もあって彼の本を買って今、必死に歌舞伎のことを勉強してるんですが、スラスラ読めちゃうんですよね~

 長々と書き込みをしてしまいまして申し訳ありません。
 これからも見守っていきましょ!!
★せいこさん★
コメントありがとうございます!もうホント見守っていきたいですよね!

今回、大大っっっ奮発して1等席で見たんですが、
あの花道に引っ込んでいく3人は、3階席じゃ見られないので、
奮発して良かったと心から思いました。
お財布には大打撃だけど、迫力が凄かった!

今、大学の授業に講師として尾上菊之丞さんが来て下さっていて、
日本舞踊家さんということで、思わず、
「私、中村勘太郎の踊りが好きなんですよ。」とお話したら、
「うん!いいよ!」「絶対大丈夫!」「間違いないよ、彼!」
やらなんやらと、ものすっごく褒められました。
先生の言葉を聞いて、
「勘太郎を信じてついていけば、間違いないんだ。」
と改めて実感しましたよ。嬉しかったぁ。

本出してたんですねーいや~知りませんでした。
ちょっと内容を調べてみたら、本当に読み易そうだし、面白そう!
機会があれば、私も探して読んでみます。

このブログ、私が見に行った舞台の感想をUPしていることがほとんどなんですが、
歌舞伎についての感想を書いて、コメントをいただくことが稀で・・・w
是非是非またコメント残してやってください♪
やっぱり凄いんですね~
私も1階席の6列目でした。もしかしたらどっかですれ違っていたかもしれませんね?初の演舞場で一人でウロウロしてました。
 私も大奮発してよかった~って思いました。
 なつさんは兄弟2人の錦秋公演もご覧になりました?
 全ての演目が舞踊だけだったのですが、そこで初めて勘太郎さんの舞v-254が綺麗なことを知りました。

 尾上氏が褒めるほどだと相当じゃないですか?
 なつさんの環境も羨ましいです。そんな凄い方が講師でやって来るってかなりいい学校じゃないですか。v-20
 
 最近はどの公演に行っても若い方々があちこちで見受けられるようになりましたよね?歌舞伎界は安泰ですなv-10
★せいこさん★
なかなか顔が整ってる若手も多いですしね。(笑)

錦秋公演は、兄弟二人のみになった公演の第一回目から見てます。ちょうど歌舞伎を見るようになった頃、この錦秋公演が始まったんですよー。

中村勘太郎の踊りって、なんだか見てるこっちまで真っすぐな気持ちになれるんで、好きなんですよねぇ。見ててワクワクもします。

何度も同じ舞台を見に行くようなファンではないんですが、大役がついた時とか、目一杯踊る時は必ず見に行こうと思ってます。
で、一緒に歳取ってくのが楽しみなんですよ。(笑)

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