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12/19 黒蜥蜴

2006年12月20日
ta-ko


2006年12月19日『黒蜥蜴』@ベニサンピット

作:江戸川乱歩・三島由紀夫
演出:デヴィッド・ルヴォー/門井均
美術:朝倉摂
出演:麻実れい/山雄介/宮光真理子/山本亨/由地慶伍/岡本竜汰
   植野葉子/廣畑達也/熊本昭博/倉本朋幸/田村元/佐藤華子
   坪井美奈子/千葉哲也/浅利香津代/清水治

気持ちが良くて、くらくらした。

なんだもう、これ・・・

麻実れいの台詞の一つ一つが、
すーっと細胞に溶け込んでいくような、そんな快感。
酔って酔って酔いましたわ。
くらくらです。

黒蜥蜴が自分の美意識を言葉にするたびに、
怒鳴り周りを緊張で埋めるたびに、
そして明智探偵への深い愛を漂わせるたびに、鳥肌が立った。

この鳥肌、どうしようもなく幸せだ。

んでもって、ベニサンピット最高。
この劇場自体の虜になってしまいそうだわ、全く。
芝居が見たい人だけが集まっている。そんな劇場。
愛しいったらありゃしない。

麻実れいが私の目の前に立ち、
明智を殺してしまったその哀しみを
とくとくと語る場面があった。

なぜだかわからないけれど、この麻実れいから目を背けてなるものか!
と、必死であのオーラと戦ってたなぁw
ちょっと負けそうになったけど、でも頑張って戦い抜いた。
怖かったけど、やったぞ!っていう気分。

明智をソファの中に閉じ込めて、
そしてその姿のない明智に対して黒蜥蜴がする接吻。
こんなにエロティックな場面ってなかなかない。
麻実れいがまた、これでもかってほど美しい。
漂う空気の甘さとはかなさと、麻実れい自体にうっとり。

追う追われるの微妙な関係と、複雑な愛情と、
ちょっとしたトリックと・・・
当たり前なのかもしれないけれど、話がスリリングで良く出来てるなぁw
これを見ちゃったら、宝塚で黒蜥蜴なんか見たくないかも、私。
このままの余韻を綺麗なまま残しておきたい。

なんで、自分は芝居が好きなのか帰り道に考えた。
やっぱり日常からすぱっと切り離してくれるから好きなんだ。
日常を忘れさせてくれて、舞台と自分。
本当に入り込めた瞬間はただそれだけになれる。
ほんの一瞬だったりするんだけどね。
身体に入ってくる言葉や音、映像、それに反応する心、
何を感じるかだけ、自分の感覚だけと向き合える時間が作れるから好きなんだなぁ。

劇場に入った瞬間、日常を忘れられて、
劇場から出た瞬間、日常に戻る。

今日は入った時と出たときのギャップがすごく激しかった。
もうしばらく、劇場でぼーっとしてたかったよ。

そうもいかないから外に出るわけだけど、
キーンと身に染みる寒さでさえも、今日は心地良い。
寒いのめちゃくちゃ苦手なんだけど、
気持ちが高揚してるから関係なかったわ。いい夜だ。
もっともっと寒くても良かったぐらい。
日常に戻って、電車に乗って家に近づくにつれて、
さっきまでの余韻がどんどん薄れていくのが
手に取るようにわかって、切なかった。
でもさ、日常に戻るこういう時間があるからこそ、
また次に出会う非日常が栄えるのかな。

雨宮役と早苗役の若い役者さんは、
うぉ~こんな若い役者さんがいたんだ!
と、思わずにはいられないほど、輝く部分があった。
早苗さんは、本当に日本人形のようで、
そんな容姿をしていること自体が凄いよ。
私、驚いた。
演技もその容姿に合った感じで良かったし。

雨宮は黒蜥蜴を見つめる時、
狂気と激しい愛情と畏怖と尊敬が入り混じった目をしていて、
それだけで惹かれるものがあった。

TPTで若い役者さんが活躍・・・
私は見れなかったわけだけど、どうしても堤真一を思い出してしまう。

きっと堤さんもああいう目をして、あの舞台に立ってたんだろう。

堤さんと雨宮をかぶらせて見てしまいました。
それだけ、雨宮役の人、良いと思ったんだ。若さがあって。
(そんな私も若いんだけどねw)
が、が、が!!カーテンコールで幻滅。
もしかしたら客席に知り合いがいたりしたのかもしれないけれど、
「俺を見に来てくれてありがとう!」
と、言わんばかりのウインク。
なんだかショックだったなぁ~私の想いを返してくれよw

ウインクでショックを受けた私ですが、
麻実れいの投げキッスは別。
なんで、なんで、あんなにも優雅なの。で、美しいわけ?
しかも今まで黒蜥蜴を演じていたとは思えない、チャーミングな笑顔。
・・・ぶっちゃけ惚れるわ。いや、惚れたね。(笑)
実は実は案外親しみやすい人なんじゃないかと錯覚したし。
それほど、可愛くもあったんだって。

明智探偵を始めとし、男性陣の声がみなさん素敵で、
やっぱり声の良い人は、それだけで魅力的であることを実感。

麻実れいと対峙するには若干弱い気もしたけれど、
明智役の千葉さんからは、飄々とした軽さの中から、
黒蜥蜴に対する深い思いを感じ取ることができた。
切れ味のあるしつこさが、小気味良かったなぁ。

1幕はじっくり台詞に酔えて、落ち着いていて見ごたえもあったんだけれど、
2幕冒頭。
なんで麻実れいがお土産売りのおばちゃんの格好する緩い場面から始まるのか。
三角巾被って、変なエメラルドグリーンのスモック着た麻実れいなんて、
そうそう見れたもんじゃないw
ドタバタするこの2幕冒頭自体は面白かったけど、
休憩挟んで始まって、すぐこの場面じゃ、
1幕までの気持ちの良い重さがどっかに吹っ飛んでしまったみたいだった。
休憩の場所変えれば良かったんじゃないのかな。
緊張→緩む→緊張・・・が楽しいのに、
緩む→緊張→緊張・・・になっちゃったんじゃないかなぁ。
でも、そんなこと関係ないぐらい惹き込まれたのも確かだけど。

1幕の緑川夫人(黒蜥蜴)が男装して、逃げるシーンとか、
ちょっとステップを踏む麻実れいがとびきり素敵だった。

ここまで“麻実れい”と何回書いたかな。(笑)
まぁ何回も何回も名前を出したくなるほど、彼女が魅力的だったと。
黒蜥蜴役ということで、連想し、
『あ、正直、麻実れいは爬虫類顔だな。』と途中思いましたが、
私も爬虫類の称号を彼女から頂きたいぐらい、魅了されたわ。



麻実れいのオーラと、人から発せられる綺麗な言葉と、
劇場に漂う空気と・・・存分に味わうことができて幸せな観劇でした。
もう、これで今年ラストにしたい。
Comment
くらくら、ほんとにそんな感じでした。
今もまだ、ちょっとくらくらしています。

どうしてあの難解な(簡単とは言いがたい)台詞が自分の中にスゥ~ッと吸収されていくのか、観ている間中不思議で仕方なかったのです。。。黒蜥蜴ってこんなに消化に良いものだったっけ?麻実れいマジックでしょうか??

以前に美輪明宏を観た時は、三島由紀夫の台詞がえらい長くて退屈だなーと、思ったのですが、麻実れいが言うと全然退屈しなかったばかりか、言葉にされた美意識に圧倒されてしまいました。美意識がきちんと言葉に表されているという状態にも感動したなぁ。

今改めて戯曲を読み返し中。読むのは3度目くらいですが、今までとは全然違う味がします。一番好きな台詞は、ダイヤを手に入れた後の黒蜥蜴の独白。宝石の自己完結した美しさについて語るところばかり繰り返し読んでいます。とろりーん(脳みそ溶解)。
私も戯曲読も~
★青瑪瑙さん★
昨日に引き続き今もくらくら、とろとろしっぱなしです!!
…楽しくって仕方ねぇ!!(笑)

自己完結した宝石の美しさを語る場面…
ちょうど牢屋になった2本の鉄の棒の隙間から(上手の一番端でした。)
、麻実れいの姿が見えて、
その見え方がまたどうしたものか!
って感じでしたねぇ…うっとりしております。(笑)
明智を海に放ったと勘違いした黒蜥蜴が、
黄色いワニに向かって哀しみを語る場面では、
その瞬間、世の中で一番間近に麻実れいを目にしているのが自分でした。
もうそりゃ陶酔しますわ。(笑)

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