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12/13 ロープ 2回目

2006年12月14日
ろぷ


2006年12月13日 野田地図第12回公演『ロープ』@シアターコクーン 2回目

[作・演出]野田秀樹
[出演]宮沢りえ/藤原竜也/渡辺えり子/宇梶剛士/橋本じゅん/三宅弘城
   松村武/中村まこと/明星真由美/明樂哲典/AKIRA/野田秀樹

見終わったあと、一緒に見た友達が目に涙を浮かべていた。
それを見たら私もジワっときた。
私ぐらいの歳の人。それかもっと若い人が見るべき話かもしれない。
もちろん50、60、70代~の人が見ることを否定しているわけではなくて、
たくさんの人が見たほうが良いに決まっているんだけど、
特に自分も含めた、若い世代に見て欲しい。

私たちが生きている世の中は、ふわふわしてなんとなく楽しくて、
でも中身がない、軽いものが多すぎるように思う。
その中でだけ生きてくると、重い世界があることがわからない。

重い世界があることに気が付かず、
軽さの中だけで生きていけるのであれば、それはそれで幸せかもしれない。
でも私は、そんな実のない幸せだったらいらない。

たまには重くて痛い世界を垣間見て、
考えて、自分の無力さ実感する瞬間があってもいいんじゃないかな。
そうさせてくれるのが、今回の野田さんの『ロープ』かも。
どうすることもできなくて、ヘロヘロさ。

重い世界を知る瞬間が持てたから偉いとかそういうんじゃないし、
そこから何か行動できるわけでもないけれど、
“知らない”のと“知っている”のには、
やっぱり大きな違いがあるような気がする。

「あったことをなかったことにはできない。」
と言っても、
「あったことを知らなければなかったことと同じ。」
でしょ。

どこから切り込んでいっていいのか、わからなくなるんだよな~

1回目(初日)より客席のノリは悪かったように感じたけれど、
私としては見る際の変なプレッシャーがなかったし、
(新作の初日だから特に緊張しちゃった。)
事前に戯曲も読んでいたので、すんなりとロープの世界に入り込めた。

どういう話か分かっててみているので、余裕があり、
最初から露骨な演出をしていることに気が付く。
後ろの文字は亡くなった人の名前が刻まれた石碑だろう。
初日に見たとき、気になってオペラグラスで読んでみようとしたんだけれど、
ローマ字っぽかったんだけど、英語のように読めなかった。
(私がバカなだけでしょーか?笑)
だから、ベトナムの人の名前なのかと思ったんだけど。

初日より、宮沢りえが良かったと感じたけれど、
その分、ケーブルテレビ組のテンポが悪くて、±0。
ちょっとした間が崩れるだけで、ガラッと空気が変わってしまう。
今日三宅っちが、台詞を噛んだ。
しかも、野田さんに話しかける台詞を。
「今噛んだでしょw?」
と、ツッコミ受けて、たじたじだったんじゃなかろーか。
演出家、しかも野田秀樹が同じ舞台上にいるって嫌だろうなぁ~
えり子さんはそんなことなさそうだけどw

宮沢りえは声がいいなぁ。
タマシイっていう、彼女の役柄に凄く合っていると思う。
野田さんの舞台に立っている、宮沢りえは楽しそう。

藤原君、嗚咽の場面が秀逸。
それこそ自分の魂揺るがして、そこから出てきている声を聞かせてくれる。
そういう声は、観客の魂も揺さぶる。
ここだけでも藤原竜也は稀有な役者だと感じられる。
あと、スローモーションが綺麗。

髪の毛水色の割には目立ってないような気がするけれど、明樂さん。
十二夜に出てるのか~大地真央かぁ~
あの白タイツの中の一人だったのかな?
いや、さすがJAC?(JACがどこまでの団体なのかよくわかってないけどw)
えらい体の使い方をしてらっしゃるなーと。
もの凄いあり得ない角度で、ロープに寄りかかってたり、
飛び越える時、わざとロープに引っかかってみたり・・・
やってること細かい。そして的確かも。
身のこなしが軽いので、見ていて気持ちが良いからつい目が行ってしまう。

戯曲読んだ時点で思ったことだけれど、
この戯曲を書いた野田秀樹の役がDっていうのが、面白い。
自分で撮ろう!と企画しておきながらも、危険さに違和感を持ち、
「やめたほうがいいよ。撤退しよう。ねぇやめようよ。」
と、なっているのがD。
野田秀樹が『ロープ』を書いたことで、
世界の暴力の連鎖がピタッと収まるわけでもなし。
野田さん自身がそんなDを演じているということが、
無力さを象徴しているように感じられてしまう。
しかも、Dは理性の象徴でもあるしな。

無力感を漂わせつつも、それでも情緒のあるラストを創り上げる。
その辺がやっぱり好きだ。

今日見て凄く良いと思ったのが、
D「あいつ、なんでロープの外に逃げ出したんだろう?」

   間

JHNDDT「・・・ほら早くこの荷物をもちな~」
この2つの台詞の間の間!!
シーンとした時間を作ることで、観客全員に考える時間を作ってくれた。

そして、ノブナガの最後の台詞。
リングの下から返ってくるトレイ。
ノブナガの台詞は「どうか」という言葉が繰り返し使われるのが、好き。
パンドラの鐘の「賭けをしましょう!あなたの服に触れず~」
に通じるものがある。
掌の上のタマシイを、空に解き放つ。といった仕草も好きだ。
本当に綺麗な場面。
タマシイは目に見えないけれど、
でもなんかキラキラしたものがぱぁーっと広がって、
そこにいる人達の魂の中に降りてくる感覚がある。

1回目見たときは、希望の場面だとすぐ感じられなかったんですが、
今日は最初からキラキラのびしょびしょを受け取ろうという想いで
見に来ていたので、ラストは2回目の方が断然良かったです。



中盤、物足りないな~と感じる場面があるものの、
痛さも重さも含め、結構好きになってきてるかもしれません。
Comment
はじめまして、光と申します
v-5
藤原さんのファンで、今回初めて 野田地図の舞台を
見せていただきました。
実は私も初日と昨日を見せていただきました。
その間に、もう1回見ておりますので、昨日は3回目でした。

最後の場面 無力のようで希望がある。
とても素敵な言葉で感想を書いてらっしゃるので
感動しました。
藤原さんの 嗚咽は心を揺さぶられます。
野田地図ファンの方にほめていただいて、嬉しいです
了解しましたよ~
ブログ引っ越しご苦労様です!gooブログはそのまま他のブログにうつせないので大変ですよね。とくになつさんのは、そりゃもう膨大な量なだけに。。。
私の「ロープ」観劇は22日。野田秀樹ものは、見終わったあと、どれだけ心に「なにか」が引っかかるかがキーワードだと思っています。
新潮、私も買いましたよー。観劇前にきちんと予習してからこころして観たいと思っています!
★光さん★
初めまして!コメントありがとうございます。
「とても素敵な言葉で感想を書いてらっしゃる・・・」
の言葉に照れてしまいました。(笑)
でも、嬉しかったです。ありがとうございます。

藤原君、熱烈ファンというわけではありませんが、
彼の出演する舞台は必ず見たいと思える、好きな役者さんです。

私も来週3回目です。なかなか表情がちゃんと見えるような席には座れないのですが、
しっかり深く受け取って、しみじみ楽しんでこようと思ってます。
★なっつんさん★
どうも、どうも!移転先に初コメント!ありがとです。
前のブログ・・・カテゴリーの数が少ない割には、
そのカテゴリーに含まれる記事の数が多いんですよねぇ。
途中まで頑張りましたが、
「やってらっれっかよ!!!!」
と、なり諦めました。こうなるまで、早かったですw

『ロープ』、普通だったら戯曲を読んでからの観劇はオススメしないと思うんですが、
この作品の場合、読んでからの方が楽しめるかもしれません。
なっつんさんがおっしゃる「ひっかかり」。
たぶん、読んでから見たほうがひっかかるんじゃないかと・・・
あくまでも私の個人的な意見なんですけどね。
22日、存分にひっかかってきてくださいませ!!

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