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5/29 犬は鎖に繋ぐべからず

2007年05月30日
inuhakusari


2007年5月29日『犬は鎖に繋ぐべからず』@青山円形劇場

作:岸田國士
潤色・構成・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
和総監修:豆千代
振付:井手茂太
出演:松永玲子/みのすけ/村岡希美/長田奈麻/新谷真弓/安澤千草
廣川三憲/藤田秀世/植木夏十/大山鎬則/吉増裕士/杉山薫/眼鏡太郎
廻飛雄/柚木幹斗/緒川たまき/大河内浩/植本潤/松野有里巳/萩原聖人

いやーなんだろう、ケラさんの岸田國士愛を途中からヒシヒシと感じる舞台でした。
万が一、愛がないのならば、おそらく尊敬してますね。
ケラさんがブログを開設した当初から、ブログ読んでおりましたが、
この作品を作るにあたって、ホントに岸田國士のことばっかり考えてたそうで。
世界一岸田國士について考えてたで賞。受賞の勢いですよ、きっと。
そんなことをブログという情報源から、ほんのちょっと知っていたので、
こんな感想を持ったのかな。

ケラリーノ・サンドロヴィッチってやっぱり凄いと思うわ。
すっげーセンスある。
岸田國士ってのは、岸田今日子のお父様ですよ。
岸田國士さん、1890年生まれ。
100年以上前に生まれた人が書いた戯曲を潤色して、ツギハギして、演出。
古さを全く感じさせない、ケラリーノ・キシダヴィッチな舞台でした。
岸田さんの戯曲を読んだことはないから、
この人がどういう話を書く人なのかわからないけれど、
きっと岸田國士の持つ魅力を、存分にケラさんが引き出して、
尚且つ、ケラさんにしかできない味付けもしていた。のだと思う。

その味付けコラボレーションがステキだった。

他人の本の演出、盆を使った演出ということで、
『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』を思い出す。
そして岸田國士ということで、『禿禿祭』の『命を弄ぶ男ふたり』も思い出す。

この二つの良いところが、ぎゅっと詰まった感じだよ。

場面転換がめちゃくちゃ素敵だったぁー
コミカルな動きの役者さん達がわんさか出てきて、
ちょこまか踊りつつ、椅子や机などのセットを配置。
退屈度が高い場面転換を、一つの見せ場にしちまいやがった。

岸田國士が書く言葉を、ケラさんがどう捉えて、
どう演出したかったか、ってのがすごく明確だ。
岸田國士がどういう意図で言葉を紡いでいったのか知る由も無いけれど、
ケラさんの捉え方はやっぱりシニカルだ。

いちいち細かいから具体的にここがこう!ってのを覚えていないんだけど、
台詞のニュアンス、間、台詞を言うときの表情、動き・・・
小さな小さな演出で、言葉が持つ意味がガラっと変わる。
変えてきたからこそ、ケラさんが演出する意味があったのよ。

これ元の戯曲きっちり読んでから見ても面白かっただろうなー。
ケラさんの視線をはっきりと感じられてさ。
自分の目線での感想を持ってから見るわけだから、
ケラさん目線の捉え方との差を楽しめたでしょ。
でも、後から読むのもありかな。
機会があったら岸田國士の戯曲読んでみたいと思う。

空気が重いようで、軽い。軽いようで重い。
面白い舞台だったなー。

セットも抜群に良いですよ。特に床
畳(畳だけでも数種類あったかな?)、フローリング、と
床もツギハギされてるんです。話だけじゃなくってね。
和洋折衷な床。キシダヴィッチな展開。

あ、衣装もね、ほとんど着物でしかも柄が犬柄だったりで、
ポップでして、良い感じでした。
着物という古い形を取っているのに、ポップでもある。
可愛かったなー、あぁいうの着て演技できたら楽しいだろうなー。

岸田國士の一幕劇を繋ぎ合わせて出来上がった作品なんだけれども、
正直言うと、一つ一つの作品の持ち味を捉えられきれなかったような気もする。
全体を見たときの不思議な空気は思う存分感じて、楽しむことができたけど、
個々の作品を見ると、どうなのかしら?と。
もうちょっと突き詰めて考えられそうなのに、できなかった。

あーでも、この作品のテーマはうんぬんっていう戯曲なんじゃなくって、
人ってさぁ~こういうことあるよね。的な戯曲なのかも。

だとしたら、割と捉えられてるかもな。

描かれていることは、他愛もない。
隣同士に住む夫婦が、W不倫に陥りそうな微妙な空気を漂わせたり、
(ってこれ他愛もない話か?笑)
犬がキッカケで近所付き合いが上手くいかない家族がいたり、
昔は友人、今は金持ちと貧乏のプライドのせめぎ合いだったり、
女の美について触れてみたり、
弟の面倒をしつこいほどみる兄がいたり・・・

描かれているものが、人の微妙な感情の揺れだ。
そしてその揺れが、揺れたまま混じり合う。ケラさんの手で。

円形劇場、奥にいるお客さんの顔が見えるのよ。
割と年配のおじいさんがね、常にニコニコ状態でこの舞台を見てたよ。
私も面白くって常にニコニコしてたから、最低でも2人はいるんだけど、
見ながらさ、ニコニコしてる人が1人でもいたんだから、
亡くなった岸田國士も、今日子さんも、お喜びになるでしょう。
もしかしたらさ、笑いにしてほしくなかったところを、
ケラさんは笑いにしちゃったかもしれないけれど、
そこは、懐の深さで許してやってくださいな。



あーやっぱり私、ケラさんがつくる舞台が好きだわ。
松尾ちゃんとケラさんだったら、実は断然ケラさんが好きなのかも。
明日確認してきます。
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ランキング上がるとそりゃもちろん嬉しいので、よろしくどーぞ!

っていうか、今天井からアリが落ちてきた。
いやこれ本気でナンセンス!!


あぁ、そうだ『屋上庭園』に出てきた植本潤髪の毛ありバージョンが、
話が終った時に映される役名と役者名書いた映像見るまで、
全く誰だかわかってませんでした。
陰鬱としてて、苛立ちも感じさせて雰囲気良いな~この人。とか思って見てた。
ちゅーことで、
坊主=植本潤 女装=植本潤
で、私は植本潤を判断していたことをここに告白します。
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