12/2 十二人の怒れる男

2009年12月03日
2009年12月2日『十二人の怒れる男』@シアターコクーン

作:レジナルド・ローズ
訳:額田やえ子
演出:蜷川幸雄
出演:中井貴一/筒井道隆/辻 萬長/田中要次/斎藤洋介/石井愃一/大石継太
   柳 憂怜/岡田 正/新川將人/大門伍朗/品川 徹/西岡徳馬


なんか、結局、舞台と劇場が好きって所に帰ってこれる。

頭の中、無駄にごちゃごちゃして、訳わからなくなってても、
その無駄なごちゃごちゃを軽々と超えて、
「あ、ただ好きなんだ。」って思わせてくれる。
それにどれだけ救われるか。

話的には、なんてことのない場面なんだけど、
パッと劇場に流れる空気の良さを感じた瞬間に、
なんとも言えない気持ちになって、泣きそうになる。
あーもうー好きなんだよなぁ。
コクーンは、刺激を与え続けてくれている劇場なので、
シアターコクーンって劇場もとっても好きだ。
(なんか制服変ったよね。前の方が良い気がするー)

台詞劇になるのは絶対で、
それを2階から見たらどうなんだろう?集中力続くかな?
って心配だったけれど、全くそんな心配必要なかった。

なんだ、なんでこんな面白いのかな。

芝居の内容的には、コクーンじゃ大きすぎる。
それこそ三谷さんの『十二人の優しい日本人』がPARCOだったように、
PARCOサイズの芝居だと思う。
だけど、伝わってきた、十分に。

良いオッサン俳優が日本にはたくっっっさんいるんだなぁ。
もう、それに尽きると思う。
オッサン万歳!!

課せられた責任に誠実に立ち向かった中井さんもさすがだったけど、
今回、徳馬さん、あと、大門さんに特に大きな拍手。
大門さんは、憎まれ役を良く・・・
あの長台詞は言ってる本人も辛くなりかねない。
でも、役として絶対に言わなければならない。
テンション保って、言い切ってくれたからこそ、生まれた緊迫した空気がある。

徳馬さんは、私が今までで見た中で一番良かった。
頑なに有罪を主張してはいるけれど、論理性はほとんどない。
感情に任せて、ただ叫び続ける。
有罪11:無罪1から始まったのに、最終的には有罪1:無罪11。
この有罪に残った一人が徳馬さん。
なぜ、そこまでこだわり続けたのか・・・
それは彼自身が、裁判にかけられた16歳の少年に自分の息子を重ねていたから。
自分の心が顕わになってから、崩れる演技が抜群。
カーテンコールでも人一倍大きな拍手が送られていて、
徳馬さんも、真摯にそれに応えていたのがまた印象的。

でも、もう特に誰が良かったとか、
そういう芝居でもなく、全員が良かったんだよ。
それぞれが、それぞれの役を舞台の上で生きているから行動に全く違和感がない。
役者さんの底力を、やんわりと見せ付けられた感じ。
決して押し付けがましくない。
エネルギーに満ち満ちてる訳でもない。
もう、ただただ芝居に生きてきた人たちなんだな、と。

よくよく考えてみれば、筒井さんは三谷幸喜版にも出てるんだよね。
三谷さんの12人~もやっぱり凄く面白くて、笑えて、
それもやっぱり、印象に残ってる。

個人的にカーテンコールの拍手のタイミングだけが納得いかなかった。
なんで、あそこで拍手し始める!?
まだ芝居も演出も終わってないのに!!
気持ちはわかるけど、でも我慢するべきじゃないのかと。

水道から流れ出ていた一筋の水は、何を意味するのかなぁ。
最初の語りかけは、あれ、私たち全員に対しての語りかけだし。

自分が陪審員に選ばれる時がもし来たら?
って考えちゃうよね。
私なんて、中井さんみたく、あそこまで論理的にはなれないし、
そもそも、あんなに穴が見付かる事件もそうそうないだろうけど、
でも、とにかく責任を負うというその重みだけは、忘れてはいけないのか。

良い芝居だったなー。
蜷川さんの当たり、今年2作目です。たぶん2作目。
もう一本、もちろん真田で。
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