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1/31 冬物語

2009年01月31日
fuyumonogatari

2009年1月31日『冬物語』@彩の国さいたま芸術劇場

演出:蜷川幸雄
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
出演:唐沢寿明/田中裕子/横田栄司/長谷川博己/原康義/塾一久/大石継太
    藤田弓子/六平直政/瑳川哲朗 ほか


手堅いキャストで、手堅くガチっと固められた芝居。
って感じ。
あれだけ膨大な量の台詞が、あれだけ明瞭に聞こえるってもう、ねぇ。
凄いですよね。
その明瞭さを乱す人がいない。ってのが凄いよー。
手堅い。

唐沢さんは正しく田中裕子さんに飲まれてました。
田中さんのあの包容力、母性、威厳、神秘性は、得がたい。
こんなにも凄い女優さんだったのか。
見た目は正直地味とも言える人なのに、
内から美しさ、気高さ、神々しさが滲み出てくる。
16年経ってから、再び夫の前に姿を現したとき、神様出てきたかと思ったもん。

その胸にそっと抱かれるレオンティーズ。
正しく負けていた。
勝てない。
そして、勝てなくていいんだ。

横田、長谷川、大石、最近良く見る3人が、
良く見る度合いに比例して、ぐんぐん進化。
横田さんなんて、どんどん役付きが上がって、今この役だもん。
声が良いよなぁ。よく通る。

大石さんも蜷川道化の位置を確立。
今回の道化、一番笑えたかも。
嫌な下品さもあんまりなかったし、
六平さんとの掛け合いも間が良くて、蜷川さんの割には結構笑えた。
道化以外が出来るのも『わが魂は輝く水なり』で見せ付けられたし、
派手さはないので、主役!って人ではないけれど、しっかりと脇を締めてくれる役者さん。

長谷川君は、着実に経験値を貯めている感じ。
今回も恋に走る王子様を爽やかに、必死に。
立ち姿が綺麗なので、品がある。

カミローの原さんが素敵おじさまで好きだったな。
真摯に主君への思いを貫く臣下。
最後、ポーライナと結ばれるのはご愛嬌ということで、まぁ急展開過ぎるけど、微笑ましく。

ポーライナの藤田さんも、これまた。
ちょっと口が立ちすぎるんだけど、深い気持ちのある人で。
あんな召使いさん、きっといたよね、って思わせる。

裁判のシーンでの田中さんの、凛とした演技に心奪われ・・・
命は亡くしても、子に受け継がれる名誉だけは守り抜きたいというその気高い思い。
ぐっと来て涙が出そうになった。
一幕に、この田中さんのハーマイオニがいて、だから二幕のハーマイオニが。
いや~、白、純白が持ってる力ってのも凄いかもしれない。

同じように弧を描いて飛び続ける2つの紙飛行機が印象的だった。
同じリズム、同じスピードで飛んでいたのに、
少しづつ、少しづつ、ズレていく。
その紙飛行機のズレが、レオンティーズとポリクシニーズのズレと重なる。
紙飛行機が持っているイメージって青さとか、若さなの。
「少年」みたいなイメージがある。

もっと年を重ねていたら、あんな嫉妬もせず、あんな事件も起こらなかったかもしれない。
でも、嫉妬から事件は起こってしまったから。

一人で飛ぶ紙飛行機。
破られる紙飛行機。

そしてまた一緒に飛ぶ二つの紙飛行機。

なんだか、青い感じがして、象徴的で、綺麗だった。

えーっと、明日もシェイクスピア!!
『リチャード三世』楽を。
楽だけ観劇ってあんまり・・・ですが、余裕がなかった。
雪組とか、雪組とかのせいだな。
『冬物語』は今日逃したら、見逃すところでしたー。
芝居を見るようになってから、『幻に心もそぞろ狂おしの我ら将門』から、
蜷川演出の舞台は、ゴールドの一部を除いて見逃してないのだ。一安心。
Comment
唐沢さんの演技が見たくて冬物語を見に行きましたが
田中裕子さんが際立っていましたね。
あの二役の演じ分けは凄いと思いました。
1幕の唐沢さんの嫉妬に狂った暴君振りにそこまでするか!と思いましたが、
自分の罪を悔いて生きてきたレオンティーズに奇跡が起きた
あの結末は見ている方も救われた気がしました。
No title
★ごまさん★
二幕の娘役は、ちょっとキツイかなぁ~
って気もしないでもなかったですが、でも一幕との違いは素晴らしかった!
良いお芝居で、良い役者さんが見れると本当に幸せですっ。

>1幕の唐沢さんの嫉妬に狂った暴君振りにそこまでするか!

そうそう、そうなんですよね。(笑)
オセローのオセローもまさしくそうで、「そんな激昂すること!?」って思うんですが、
『あぁ、そういうもんなんだよね。』と思ってみるようにして、気にしないようにしてましたw
気にしちゃうと、イライラするので。(笑)

藤田さん、良く騙しとおしてくださった!なラストでしたよね~

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