FC2ブログ

2/21 ひばり

2007年02月22日
hibari

2007年2月21日『ひばり』@シアターコクーン

作:ジャン・アヌイ
翻訳:岩切正一郎
演出:蜷川幸雄
出演:松たか子/橋本さとし/山崎一/小島聖/磯部勉/月影瞳
   二瓶鮫一/塾一久/久富惟晴/稲葉良子/横田栄司/妹尾正文
   飯田邦博/堀文明/品川徹/壤晴彦/益岡徹

久しぶりに、自分がどこに着地したのかわからなかった。

舞台を見ても、映画を見ても、大抵は見終わったときに、
「自分はこう思った。」ってどこかに着地するんだけど、
今日は、「あっれ~?」って感じ。

裁判にかけられたジャンヌが、
その裁判の中で、自らの半生を演じる。
っていう形の芝居ってことで良かったのかな。

最後の最後、火あぶりの刑にかけられたジャンヌのシーンから、
シャルルの戴冠式にシーンが変わったところで、
「あれれ。」となる。着地不可能。

「ジャンヌダルクの物語はハッピーエンドなのだ!」

とかなんとかっていう台詞が叫ばれていて、
(「永遠に繰り返されるのだ!」とかも言ってたかな?)
火あぶりという残酷な場面から、
栄光の場面に一気に変化する。

それまであまり“ジャンヌ自身が演じているジャンヌの半生”
という見せ方を露骨にはしていなかったと思うので、
いきなり演じているということが前面に出てきた変化に、
違和感というか、戸惑いを感じた。

壁の中央が巨大な十字架型に切り取られていて、そこから光が差し込む。
両脇には大きなジャンヌダルクの絵。
中央に四角い石舞台があり、その周りを聴衆が囲む。
客席も聴衆の一部と見立てる。

小難しいことは聞いていても正直わからないところがあった。
火あぶりのイメージと、ろうそくの火のイメージが繋がるんだろうなぁー
とか、そんなことぐらいは思ったけれど、
台詞云々は、1から100まで理解しようとすると、
使われる言葉が普段の言葉とまるで違うので、
追っかけると頭が疲れてショートしそうになった。
私の脳の許容範囲、狭いからなぁ。

ただただ松たか子のジャンヌが凛々しくて、真っ直ぐで、
無垢で、純真で、瞳がキラキラしてて
良いなーと思った。
衣装も豪華とは程遠い、まぁ遠目から見れば、パーカーにスウェットだな。
生地がスウェットじゃなさそうだったけど。
でもそれでも、心根の真っ直ぐさが見えてくるようで、
ただただ松たか子を見つめてる時間が長かった。

それだけで、自分の気持ちも凛としてくるようだった。

壌晴彦さんの声に聞き惚れる。
どうしよう、こんな良い声でと一瞬うろたえる。

役者さん達は、みんな熱演。
この熱演があったから3時間を超える上演時間でも乗り切れたんだと思う。
演出で、これといって目に留まった場面ってあんまりなかったかも。
受けた印象は『あわれ彼女は娼婦』や『オレステス』に近い。
役者さんの熱量で成立している部分が大きい感じ。

そりゃ、もちろん一定レベル以上に照明は綺麗だし、
舞台美術だって豪華だし、色々見どころもあるっちゃあるけど、
『タンゴ・冬の終わりに』とかと比べると、うーん。
欲張りにもなるさ。

とりあえず、松たか子のジャンヌダルクを見て、
自分の心も正されて、シャキっとしたような気がするから、
それだけでも見に行って良かったと思う。
ジャンヌを演じる松たか子は本当に凄いよ。
女・藤原竜也って言ったら、あれだけど、入り込み方が半端なかった。

そうだ、そうだ、ジャンヌがボートリクールとシャルルを
説き伏せていく場面がすごく面白かったんだ。
人の心の中にすっと入っていくことが出来るジャンヌの魅力、能力。
それを存分に感じた。(ちょっと朧のライっぽいよ)
その人の褒めて欲しい部分はどこか、慰めて欲しい部分はどこか、
これを的確に突くジャンヌの小気味いいこと!
段々と、ジャンヌに心許していく相手側の演技も良かったし、
もちろんジャンヌの松さんの演技も素敵だった。

今日はシャルルを演じる山崎一さんを松さんが追いかけるシーンで、
ハプニング発生。
客席通路を逃げるシャルルの鬘が取れる。

「あ、かつらが、かつらが!」

とかなんとか言いながら、かつらを拾い、
そのまま逃げるが、やっぱりちょっと止まって

「ちょっと待って、待って」

と山崎さん、松さんに声を掛け、通路でかつらを直す。
芝居は一時中断で、客席からは笑い声。
松さんは
見ないでくださーい!と、いった感じで、山崎さんを手でガードするフリ。
その際、たぶん客席にいた中村勘三郎さんに気が付き、
軽く会釈してたよ。梨園!


松たか子に乾杯!よかったら、クリックよろしくお願いします!
Comment
壌晴彦さんの声!!
良い声ですよねぇ~。よく訓練された声で、それでいて暑苦しくなく、役柄にもあっている、
そんな感じがします。
ラジオドラマに出演していたのを聞いたのが最初でした。劇場で、初めて生で聞いた時、
すごく嬉しかったのを思い出しました。
★青瑪瑙さん★
前に『天保十二年のシェイクスピア』かなんかで、
壌さんを見たときは、声について何も思わなかったんですが、
今日は、第一声を聞いた瞬間に「なんだあの声は?!壌さん素敵!」状態。

まさしくよく訓練された声で、それでいて暑苦しくなく、役柄にもあっている声ですねー
スバラシイ。

あ、私が初めて生で聞いて一番嬉しかったのは、毬谷友子の声です!
狂った時の笑い声が聞けて、「やっと聞けた・・・」と本当に嬉しかった覚えがあります。
えーっとねぇ、カツラ落としは、17日の夜にもあったの。

んで、やっぱり中通路のとこで、待って待って~って言って、松さんが、
彼の頭をぽんぽんて叩いて、おおいかぶさって、周囲の人に、ジャンヌの目のまま、
「どうも」って感じで、うなづいてた。シャルルが「はいっ」って言った途端に、
走り出すので、松さんも急いで追いかけて、舞台に戻って行ったよ。

偶然かも知れないけど。毎回、あれやってたら、逆にスゴイかも。
★ぷらむさん★
やってるらしいですよ~(笑)

自分が見るまでは、他の人の感想を読まないようにしてるんですが、
観終わって読んでみると、どの日もあれあれ、かつらが落ちまくり。
誰もが私と同じで「私の日だけのハプニング!」状態でした。(笑)

2回以上観るんであれば、かつらが落ちるたびに
『またか・・・』って思うでしょうけど、
まぁ一度きりなら楽しい演出!ってことでいいですよね!

この芝居、ちょっとは笑わないと、頭が疲れます。(笑)
今日見てきました!
私の席のちょうど真横でカツラがとれました☆
会場は、ハプニングが起こったよ的な笑いが起こっていましたが、私はなつさんのブログを読んでいたので、「お、きたか」って
感じでした(笑)
やっぱり頭使う舞台ですね~。
★しほさん★
じゃあ席は通路側ですか~?
もし2回見ても、自分の目の前でカツラが取れたらビビるかもしれません。

頭疲れるけど、松たか子の清々しさで心が洗われるようでしたよ!
松たか子の評価がまたまたUPです!
席は通路から2番目だったんですが、ほんとに真横
だったため、逆にカツラはよく見えませんでした(笑)
心洗われましたね~。
最初のセリフを聞いてからずっとジャンヌにしか見えなくなりました。
彼女が出る舞台は、欠かさず行こうかなと思います☆
★しほさん★
松さんの大ファンにはならないかもしれませんが、
ずっーと好きな女優さんなんだろうなぁ、という気がします。

松さんだけしか見えない瞬間。
ありました、ありました。私もまた見に行きますよ!松たか子の舞台は!

管理者のみに表示