1/11 忘れ雪

2008年1月11日『忘れ雪』@宝塚バウホール 14:00
作・演出・出演者→こちら
1月10日→1回目
内容はともかく、一応、
「バウ・ピュアストーリー」って銘打ってるし、
登場人物もピュアな人、前提で初見は見て、
『せっかくの音月桂なのに、優しいだけの男ってつまらないわ〜』
と思った。
上手く言える気がしないけど、
キムさんの魅力って、また別の所にもあるじゃないですか。
あのパッて周りを明るくする笑顔、存在感も彼女の大きな魅力で、
私も、キムさん見ると明るい気持ちになれるから、そこも、もちろん好きだけど、
この人、その裏でどっか歪んでるというか、邪なものを感じさせる。
黒〜い感じがする。
凄く明るいのに、どこか黒い。
そこがスキ。
そんな音月桂が見たいのにな、と思いつつ2回目観劇。
前の方の席だったので、表情が初見より良く見えた。
・・・あ、なんだ狂ってんじゃん、一希さん。
私の希望も混じっていたとは思うけど、そう見えちゃったよ。
いつ好きになったのかわからない美雪って女性の為に、
なぜ彼は、あそこまで奔走するのか、必死になるのか、執着するのか。
「心の中に暗い部分があったから」
って理由を一つ加えてしまうと、結構すんなり理解できる。
蛇との幻想ダンスシーンの時のキムさん、
表情、正気じゃないですよ、あれ。
『ソロモンの指輪』みたいになっちゃってるもん。(笑)
本人自覚してあの表情してる訳じゃないと思うけど、
無自覚に滲み出てる感じが、また。
彼も愛に飢えていた人の一人なんだと思う。
獣医として、弟の清一郎と比べたら、まともな、一般的な道を歩いているようには見える。
でも抱えている傷は大差ない。
表に出ていないだけで。
だから、誰かを愛することなく今まで生きてきてしまった。
そこに、一筋、美雪という光が現われる。
普通の人にとっては、まだまだ気持ちが動く最初の段階の淡い輝きであっても、
今までの一希は真っ暗闇だった訳で、
その暗闇に差し込む淡い輝きは、
彼にとっては、かけがえのないほど眩しかったんじゃ?
で、あんな「美雪さん、美雪さん」言うようになってしまい、
命を危険にさらして、それでも懸命に彼女の元に駆けつけようとする。
美雪を探し始めてからの、キムさんの一希、目が普通じゃないですよ。
イワンだよ、イワン。
自身の幻覚に気付いたあとの、イワンに近い。
ね、普通じゃない。
でもそうやって見たほうが、しっくりくる。
全くピュアじゃないし、なんか心の上でコワイ、嫌な物語になっちゃうんだけど、
でもその方がしっくり。
純愛どころか、自分が心に受けた傷を癒そうと必死に駆け回り、
でも癒しは得られず、雪と共に消えてゆく・・・
みたいな、なんかそんな恋愛話のベールをまとった、心の闇の物語に。
純愛話として考えると、
特に一希の方が、あそこまで美雪に惹かれる訳が謎。
いつ、どこで、なぜ美雪を愛するようになったのか、理由がさっぱり。
7年前に結婚の約束をしたから?
忘れてたじゃん、綺麗さっぱり。
この忘れっぷりにもビックリなの。
高校生の時の、記憶だよ?
高校生の時、小学生の女の子が傷ついた犬を拾ってきて、
父と共に治療してあげた。
女の子は本当に喜んでくれて、その後もその子と、助けた犬に公園で会うようになる。
女の子は、
「7年後、獣医さんになったとき、私にプロポーズしてね!」
という言葉とおもちゃの指輪を残して、京都へと引っ越す。
なかなか、強烈な記憶。
でも、忘れてる。
思い出す気配すらない。
でも、そこにツッコミ入れると、お話全て崩壊・・・あっちゃ〜・・・
だけど、かつて愛情を注いでくれた人に、
7年経ってまた出会い、またその変わらぬ愛情に触れ、
その人に対して、自分も少なからず愛情を持てて・・・
そのことに気付いたら、気持ちが勝手に大きくなり過ぎちゃった。
彼は愛に飢えていた、心に闇を抱えていた人だから。
みたいな解釈をすると、一希の入れ込みっぷりも理解ができる。
で、キムさんの表情も勝手にそっち系の人になっている、と。(笑)
笹川にあんなことそんなことされた後のキムさんの、
衰弱っぷりったらないです。
階段気をつけて降りてくださいね。
笹川さんたちは、「あれ殺しちゃっただろ。普通に。」ってぐらい、
ひどく一希を痛めつけてるにも関わらず、
一希、動けてるのが奇跡!!
鳴海、そんな一希を涙堪えて見送ってしまうなんて、君も奇跡!!
愛の前に、命を救え。
命がなければ、親友、やっと見つけた愛しい人を愛せないぞ。
愛す前に死んじゃうよー
ん?「愛がなければ生きていけない、死んじゃうよ〜♪」
って歌があったな。
私はあの歌大好きだけど(笑)、
今!今それ実践するの違うでしょう??
盛大なツッコミ場面が、
どうやらこの物語一番の泣かせ所らしいのが、なんとも言えない。
「あぁ。そういうもんなのね。」
って思うしかない。
だから余計に、笹川@緒月氏の暴行が、
私には格好良いダンス的シーンに見えるんじゃ?
私これ、通うの?
思わず自問自答したくなるけど、
・・・通うよ。
でもホント、笹川さんはツボなんだ、本当に。



