電車の中で暇だったから更新する
もう興奮しちゃって、誰に呼び掛けるでもなく、呼び掛けます。
演劇の新しい1ページに触れられたな、って。
ちょうど10年前から、ほんのりとずっと好きだった勘九郎さんは、やはり10年前に好きだと思ったときと同じように好きだと思えて涙が出た。
正直、ドキドキするとかっていうトキメキのない好きなのですが(笑)、じわじわと胸を掴まれるように好きが溢れる。
なんて素敵な田村麻呂だっんたろうか。
10月にも大阪で会えるのか…
ちょっと頭の中を、そんな思いが過る。10月。
こんな辺鄙なブログなくせに、緒月さんの記事にばっかり拍手されて、なんだかな。だから、大阪で阿弖流為見られる緒月ファンは阿弖流為見に行ってください。
見ろ。
あと、あれだ読売演劇大賞だ。
私はおそらく日本一『白夜の誓い』と『草枕』を見た人間だと思うんですよね、かなしいかな。
その点だけで言って、作品賞に『アル・カポネ』が入って『草枕』が入っていないのが悔しくてたまりません。
たとえ読売演劇大賞であろうと←
だって草枕、女優賞に小泉今日子、演出家賞に寺十吾、スタッフ賞に小川幾雄、松井るみがノミネートされてるんですよ?
それだけ作品全体のクオリティが高かったんですよ。
品もよくってさ。
良いシスだったのっ!
アル・カポネの雪組子の熱演はもちろん評価しております。
雪組愛ありますよ。当たり前さ。
でもさぁ、じゃあ、北村想じゃん…っていうか、読売の趣味的にも北村想はありな方じゃないんですかねぇ。
だったら、だいもんの女優賞とかさぁ。
「宝塚の限界を広げようとした」って、私の限界、先に来てるよ\(‘jjj’)/
モヤモヤしてます。
半年ほど退団してから時は経っていますが、根は深いなと思うばかりです。
ふふ、でも小泉さんのノミネートはすごく嬉しいな。
草枕の演出、照明、美術も評価されてるのもすごく嬉しいな。
普通のところをものすごく丁寧に見せてくれた演出であり、照明であり、美術であったと思う。
最終まで小泉今日子が残りますように。
演劇面でも賞が取れたら、それはそれで素敵だ。
あ、最優秀女優賞はもうお花様でいいんじゃないかと(笑)
万が一、これ読んじゃったら、阿弖流為、松竹座で見てくださいね。
ん、では。
7/5 草枕 千秋楽
書くのです。
千秋楽。
すごく、暖かくて、官能的かつ可愛い場面があったので、その場面のことを。
官能的なのに可愛いかったんですよ。
これまで感じたことのない肌触りの空気感で、それを段田安則と小泉今日子の演技で味わえたことが幸せだった。
あ、惜しんでる。
と、二人のお芝居を見ていてふと思った。
今日でこのやり取りが終わってしまうのが寂しい。
でもいつも凄く素敵だった。楽しかった。魅力的だった。
だから、あなたのことが好きだ。
そう台詞の裏で、お互いに言い合っているように見えて、聴こえた。
小説を読む画工に無邪気に駆け寄り、漱石の真似をし始める那美。
英語の小説を日本語に訳し、読み聞かせる画工。
「この一夜をと、女がいう。一夜と男が訊く。一夜とはつれないこと、幾夜を重ねてこそという。」
そう訳す画工の顔のすぐ隣には、ちょこんと那美の顔がある。
時折視線だけが交わる。
相手の奥底の感情まで受け入れたような微笑。
そのときの通じ合った感覚といったら…言葉だけで、あそぶ二人。
千秋楽の最後の魔法が、ものすごく良い方向で働いたのを一緒に体感できた気がした。
ふわっと空気が変わって、「さみしいね」「うん、私もさみしいよ」って言いながら段田さんと小泉さんから駆け引きを楽しむ、大人の色気が香る。
濃くなく軽く、ふわっと。
また北村想の言葉だったから香ってきた色気だったのだろうとも。
どことなく軽やかで、茶目っ気があるというか、北村さんの草枕はそういう戯曲でもあると感じたから。
本当に良い場面を見させていただきました。
段田さんが幸せそうでした(笑)
普通に見てもザワッとくる、何百回と芝居を見ても、そこまで感じることのないザワッと感を、いま、一番好きな、興味を持ちまくっている女優さんの演技で味わえた、この喜び。
演劇的には、こういう瞬間が「美」を掴んだ、という風に言えるかもしれないな。
『草枕』の至福のひととき、でした。
7/20 朗読劇 約束
ようこそ。
いらっしゃいませ。
という気持ちかもしれません。
男役、宝塚、という世界から出て、緒月さんがこちら側に来てくれた。
来ると思ってなかったし、広いこちら側の世界の中で、私が好んでいる場所と緒月さんがいる場所は結構…もうかなり離れていると感じているので、今後どうなるかが余計に未知。
本当に個人的には不安だったり、物足りなかったり、私の好きな世界をもっと知ってほしい、などとという生意気な思いもあるにはあるのですが、宝塚以外で女性を演じた緒月遠麻を今、ブログを書くにあたって思い返したら、
待ってた。
という言葉も私の中に浮かんできました。
本当にどーでもよかったんだなぁ、男役とか。
って、これ語弊ありすぎ?
いや、でも、どーでもよかったんです。私にとっては。
緒月さんの男役が好きだったし、心底格好良いと思っていたし、黒燕尾オールバックにシケありとか見た日は勝った…!ってなってたし、男役・緒月遠麻は唯一無二。
でも、どうでもいい。
そこ第一で応援し始めたわけじゃない。
演技が好きだった。
ただただ役者として惹かれた。
だから、スカートで、女性の声で芝居をして、男とホテルのスイートルームに2人きりで、抱き締められて、ちょっと道ならぬ恋的な雰囲気を醸し出されても、驚きもせず、これまでと何も変わらずに、緒月遠麻の演技を見ていられたなと思います。
違和感なくて、特別書くこともないぐらいですよ。
男だろうが女だろうが、何回やっても舞台に出るまで極度に緊張するんだろうし、出たら出たでやることやるし、服装だって元々女らしさ失わないラインの男役らしさだったし、ねぇ。
ただ緒月さんは、歴代のたくさんのトップさん達にも引けを取らないぐらい、きちんと男役というものを極めて宝塚を退団した方だと思う。
そのオトコを極めた人たちが女優として初めて舞台に立つとき、ほぼみんな「あれ?女性ってどうやって演じるの?」と迷宮入りして、数年経っても、その迷宮の出口を見つけられない人も少なくない。
緒月さんは、また動きがついたらどうなるかわからないけれど、心の面では迷宮の概念そのものがないんだろう。
男も女も人は人。
私は私。
あっぱれですよ(笑)
カーテンコールの挨拶を見聞きしていても、あのキャラクターは共演者をはじめ、きっとスタッフさんにも好かれるに違いないと思えた。
高木さんともなんか仲良し。
尊敬の念があるから、立てるところを立て、引くところは引く。
よく人を見て、その人の良いところをサッと見抜く力があるからだと思う。
またスタッフさんたちの中に、切羽詰まって栄養が不足した顔をした人がいたら食べ物をサラッと自然に恵むに違いない。(ex.上田久美子先生)
それもきっと宝塚時代と変わらずに、人柄が次の出逢いを呼び寄せるような、そういう道を歩いていくんだろうな。
細かいツッコミ所はあれど、お話も面白かったです。
台風の避けるために入ったホテル。
話の流れでひとつのスイートルームに泊まることになった二人…お互い婚約者、妻、子供がいる身。
そうとわかっていながら惹かれ合う。
言葉にしなくても同じ気持ちでいるのがわかる。
「じゃあ、5年後に同じ部屋で」
約束を交わす二人。
爽やかな、ドロっとしない、不倫だね!
5年毎に会う約束を交わし、20年越しで結ばれる、という。
都合よく離婚し過ぎで、都合よく交通事故過ぎだったりするけれど、夢はある。またはトキメキ。
緒月さんは30歳の誕生日を機に、結婚をするスチュワーデスという役所。50歳まで演じるよ。
声、やっぱり凄くいいと思います。
なんだか海外ドラマの吹き替えとかすぐ出来そうな、女としての完成度の高さもあったと思う。
声優いけないかな?
恋をして、ときめいて、でも、その気持ちをそこそこ幸せな日常と照らし合わせて抑える緒月遠麻、ってたのしい。
基本、出会いから5年ごとの出来事を、二人がそれぞれ「誰か」に語る形で物語は進んで、その合間に再現として二人の会話が入る。
5年に一度の逢瀬。
抱き合うだけでキスもしない。
それでも縮まっていく二人の距離…を表現する元スチュワーデスの緒月遠麻、ってたのしい。
これまでは男ばかりだった緒月さん表現の中に、新しく女性を演じることが加わって、表現の幅がぐんと広がっていくだろうことが、もう単純に嬉しくて、楽しい。
こっち側にきたことで、私が本当に見たかった緒月さんに出会える確率が上がったのだと思う。
それがどんな役かは私自身もまだよくわからないのだけれど、男役後期より、いまの方がワクワクできるかもしれない。
だからやっぱり、緒月さん。
ようこそ、いらっしゃいませ!
待ってたよ!!
あと、来てくれて、ありがとう。